私たちの太陽系が属する銀河系の中心部にある巨大ブラックホールのはなし



先日、5500万光年先のM87楕円銀河の中心にある巨大ブラックホール(超大質量ブラックホール)が初めて撮影(正確にはブラックホールシャドウ)されたということで、とても大きなニュースになったのは記憶に新しいと思います。実は、私たちの太陽系が属する「天の川銀河」の中心にも、巨大ブラックホールがあります。距離は2万6千光年と、先に撮影されたブラックホールに比べると、距離は約2000分の1と、とても近い場所にあります。そのブラックホールの名前は、いて座A*(いてざエースター)です。現在、M87銀河の中心のブラックホールを撮影した同じチームが観測と映像化に鋭意取り組んでいるようですから、遅かれ早かれ画像が大々的に発表されていると思います。距離が1/2000と近いですからさぞかし鮮明な画像が得られるだろうと期待してしまいますが、巨大ブラックホールいて座A*の質量は、M87のブラックホールに比べると1/2000しかないそうです。比較すると随分小さな巨大ブラックホールなのです。
(2000倍近いけど、1/2000の大きさという事は、近いけど同じような解像度でしか撮影出来ない…)

ちなみに、いて座A*の質量は太陽の数百万倍、M87の巨大ブラックホールは、太陽の数十億倍の質量があると言われています。

それでは、下の図版をごらんください。まずはfig.1をごらんください。いて座A*と太陽系の位置関係です。いて座A*は、銀河系の中心部、私たちの太陽系は、螺旋状に渦巻く銀河系の腕の中にあります。私たち太陽系から見ると、銀河系の中心方向にいて座A*はあるということになります。fig.2は、銀河系を真横から見た姿です。中央が膨らんでいて、両翼に広がった、お皿を二枚伏せたような形をしているのがわかります。さて肉眼で見える星座を辿り、巨大ブラックホール、いて座A*がどのあたりにあるか見てみましょう。一番上の写真は、乙女高原星空観望会で、広角レンズで撮影したものです。太陽系からみると、銀河系の中心方向は、いて座の方向です。夏の大三角から流れ下る天の川が、いて座付近で一段と太く濃くなっているのが分かります。赤いばつ印で示した所に、巨大ブラックホールいて座A*があります。もちろん肉眼では見えませんが.....。

fig.Aをご覧ください。これは、地球から見える天の川を、一枚の写真に合成したものです。先ほどのfig.2で見た姿とそっくりですね!天の川というのは、まさに銀河系の内部から銀河系を真横から見たものに他ならないのです!

fig.B>fig.Cとどんどん拡大して見ていきます。両方とも私が撮影したものですが、巨大ブラックホールいて座A*は見えません。天の川に漂う黒い雲みたいなものが分かりますね?これは暗黒星雲と呼ばれる、星の元になるガスです。こうしたガスが徐々に集まり、ついには星が生まれてきます。fig.Cの左端にピンク色に輝いている部分がありますが、ガスの中で星が生まれている場所です。中で星が生まれると、暗黒星雲ではなくなり、周りのガスが輝きだします。散光星雲といいます。fig.CのアルファベットのAの文字の下に、星が沢山集まって見えています。散光星雲の中で生まれた星が沢山育ってくると、周りのガスを吹き飛ばします。それが散開星団と呼ばれる若い星の集団です。しばらくすると、一つ一つの星は、散り散りばらばらに、巣立って行くわけです。

fig.Dは、いて座A*をNASAのX線宇宙望遠鏡で撮影したものです。ブラックホールの姿はまだ見えません。
さて超大質量ブラックホールいて座A*は、どんな姿を私たちに見せてくれるでしょうか?先に撮影されたM87のブラックホールとの違いも楽しみですね!
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