星の手帖社 大陽観察安全グラス
星の手帖社 日食メガネ
Vixen 日食グラス
アイソテック ウチワ型日食メガネ
アストロアーツ 日食観察プレート
上記のものは、天文分野で以前から実績のあるメーカーの日食グラスや日食メガネです。
金環日食が来る5月21日(月曜日)に迫りました。
一昨日に全ての日食メガネが売り切れとなりました。
日食グラスの製造元であるビクセンさんは、200万枚の日食メガネを販売したそうです。
弊社が販売した、国立天文台の縣先生が監修したフィルターを装備した星の手帖社の日食メガネも、書店を中心に多数の販売店で販売され、その殆どが売り切れになったとの事です。
一昨日から、危険な日食メガネが一部で出回っているとの報道がなされ、日食を前に騒ぎは制御不能の状態になりつつあります。
消費者庁の情報の出し方やマスコミの報道が極めて中途半端なため、天文業界でまじめに作られた日食メガネの製造や販売の現場にも嵐のように沢山の問い合わせの電話が掛かってきています。
100円ショップのものや、中国製の出所もはっきりしない日食メガネが出回っています。
中には世界天文年2012公認という印刷がされた日食メガネも出回っているとの情報もありましたが、これは世界天文年2009とは全く関係の無いもので、販売会社が勝手にロゴを使用し作ったもののようです。
これまで金環日食に関しては好意的な報道が続きましたが、マスコミの常で今回の粗悪日食メガネの報道を期に逆風報道が増える事を危惧しています。それもこれまで日食にも天文にも関わりの無かった企業が一儲けを目論んで浅薄な商売をしている為です。巻き込まれない様にしたいものですね。
一番中途半端な事をやっているのが消費者庁。はっきり言ってもっと早く動くべきでした。お役所が、一般人の日食への関心の高まりと一緒のタイミングで危険な日食グラスがありますと発表しました。それも商品を特定せずに! 日食が一週間以内に迫った水曜日に騒ぎ出し、さらに粗悪な日食メガネの情報を21日(日食当日)までに出す予定と発表しました(遅過ぎ)。
また、消費者庁が発表すると思われる、眼に障害を与える可能性のある日食メガネだけが粗悪な品であるという事はありません。短期間の、また直前の調査なので、市場にある全ての日食メガネの詳細な調査を行なう事は不可能だと思われます。
疑わしきは使用せずが一番だと思うのですが........
消費者庁は調査をもっと早くやるべきでした!
さて、日食メガネをお持ちでない方、またお持ちの日食メガネの安全性に確証が持てない方でも、日食を安全に楽しむ方法をご説明したいと思います。
もちろん、手持ちの下敷きや普通のサングラス、色ガラス等を使って今回の日食を観察するのは、眼にダメージを与える可能性が非常に高いので絶対に止めましょう。大昔は、ガラスにろうそくのススを付けて日食観察に使ったようですが、これは危険です。
上記のような方法で大陽を見ると、まぶしく感じる事は無くても、私達の眼には感じない「紫外線」や「赤外線」を透過している場合があり、眼には見えないこれらの有害な光線が決定的なダメージ(失明を含む)を与える可能性があるのです。当然、大陽を直接見てはいけません!金環日食中もです。
日食メガネが無くても安全に欠けてゆく大陽を観察する方法があります。
木々の木漏れ日も要注目です。日食の進行に伴って木漏れ日も欠けていきます。
安全な観測方法と合わせ、詳しくはこちらをご覧下さい。
日食メガネを使っても、正しい使い方をしなければ眼に障害を与える事故が起こります。
●初心者の方が天体望遠鏡や双眼鏡で日食を観察するのは非常に難しいことです。観測方法を誤れば瞬間的に失明します。大きなリスクがあることを覚えておいてください。
●安全な日食メガネを使っていても、長時間連続的に大陽を見るのはやめましょう。1分見たら5分休むくらいが丁度良いと思います。
●観測中に、涙が出てきたり、眼が疲れたり痛くなったりしたら、すぐ日食観察を中断して下さい。
【実際に弊社に報告された事故】
前回の日食の際、雲間からうっすら見えていた欠けた大陽を、あまりまぶしく無いからと双眼鏡で覗いた方がいました。
結果は悲惨なものでした。半年経っても以前の視力が戻らず、視界に欠損が生じているとの事です。眼科医にはもう元には戻らないと言われたそうです。
また、私の先輩は、日食観測中に利き目の視野の半分を欠損しました。大陽観測用のフィルターが観測中に脱落したのです。原因は、望遠鏡の前を人が通った時にフィルター枠が引っかかり、フィルターが脱落。それとは知らず望遠鏡を覗いたため、網膜が焼けたのです。
二度と元の眼には戻りません。
皆さんは、くれぐれも最新の注意を払い、安全に日食観測をしてください。
金環日食の日が人生最悪の日とならないようにするために。
金環日食を安全に楽しく観察するために必ずお読みください。>こちら