怒りを覚える(5)~100%嘘で塗り固められた天体望遠鏡


「あきれた付属品、接眼レンズはケルナーの刻印が、でもそれも大嘘だった」

箱を開けて感心したのは、ケルナーの刻印のある接眼レンズ、バローレンズさえ使わなければよく見えるのではないか?と思った。望遠鏡工業会に属するどこぞの一流企業が販売する望遠鏡よりましじゃないかと思ったが、甘かった。
分解してみるとラムスデンだった。しかし対物レンズが虫眼鏡以下の精度でしか磨かれていないので、たとえオルソを使っても全く見えない望遠鏡だと気付いたのは、10分後のことだ。

よくもここまで見えない望遠鏡を生産し、販売したものだ。

明日は、この望遠鏡を売った販売店に電話をかけてみることにします。


この望遠鏡を売っている販売店に電話を掛けてみた。
もちろん望遠鏡の事は、全く知らない。クレームもほとんどなく。普通に売れているとの事。
こちら側で確認した数々の問題点を欠陥箇所を指摘した。
とりあえず在庫もおかしいかいくつか覗いてみるとの事。いったん電話を切って30分経過をしただろうか、再び電話が鳴った。はじめて覗いたが、素人目で見てもよく見えない。比較対象がないので他の望遠鏡を覗いてみたいが何処で覗けるか。との事だったので、本屋で注文すれば買える「組み立て天体望遠鏡」を案内した。
とにかく、悪いものとは知らなくて、店主としてはショックを受けているようだった。買ったお客さんも被害者であるが、店も被害者である。

ため息しか出ませんね!

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怒りを覚える(4)~中国製ゴミ望遠鏡の実態


「望遠鏡の心臓部、対物レンズは光学ガラスではなく窓ガラスで作られていた。しかし見え味を著しく損なっている原因は別にあった。」

使用されているレンズは張り合わせ式のアクロマート。レンズのうち一枚は断面が青く見える青板ガラス。光学ガラスではない。日本でも戦前戦後の天体望遠鏡では良く使われていた様です。ピントがどこであっているのか分からない程酷い対物レンズだ。一番の問題はガラスの素材ではなく、光に透かしてみると、同心円状の段が分かる程いい加減に磨かれているのが分かった。

対物レンズの精度は虫眼鏡以下だった。

記事執筆中

怒りを覚える(3)


「水平回転軸は塗料が流れ込み完全に固着していた」
バイスプライヤーとプラスチックハンマーでがんがん叩かないと外れませんでした。本来は滑らかにまわらなければいけない水平回転軸です。これでは望遠鏡の向きを変えるのに三脚ごと向きを変えねばなりません。
何を考え作ったのでしょうか。酷すぎます。


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怒りを覚える(2)~水平回転軸固着で不動、上下動もだめ。



「この望遠鏡の架台はフォークの基部が水平軸から破断した状態で持ち込まれた。なぜこんな事に?」

水平回転軸に塗料が入り込み弊社に持ち込まれた時は完全に固着した状態でした。上下動は、微動棒の太さが太すぎ、思いっきり力を加えないと望遠鏡の仰角が変わらない!仰角を変えようとするとゴリゴリという感触とともにやっと動く状態です。

微動環を回転させると、望遠鏡の仰角は微調整が出来たので、この部分だけはKenk○のSkyW@lkerIIIPC(一部伏せ字)よりましといえるか。
子供がこのような操作を何回かしているうちに、フォークの基部が金属疲労により破断した。破断した面はフォーク側、水平軸側ともに鋭利で、下手をすると怪我をしてしまいそうだ。フォーク基部と軸をつなぐ部分の鋳物の厚みは、1.3mm程しかない。

ちなみに固着した水平軸は、バイスプライヤーで挟み込み、プラスチックハンマーでガンガン叩いて無理矢理外しました。


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怒りを覚える(1)(大幅加筆)


「写真の中国製天体望遠鏡は、プラネタリウムでの星空解説をきっかけに、宇宙に興味を持った子供の誕生日にご両親がプレゼントしたものです。構造上の欠陥と製造時の問題により、まったくといって良いほど見えず可動部も動かず。購入後間もなくフォークの基部が金属疲労により破断した。子供は落胆し、プレゼントをしたご両親も途方にくれた。」


現在、台数ベースで初心者用天体望遠鏡の販売の約60%は家電量販店やホームセンターが占めている。インターネットやオークションを通して売られているものが約30%位で、天体望遠鏡専門店を通して売られる初心者用望遠鏡はおそらく10%程度だと思われる。

弊社には、こうした望遠鏡を購入してしまった人から頻繁にメールを頂く。買った後にこんなはずはないと思いネットで調べて、弊社のWEBサイトにたどり着き、騙されていたことに気付くのだ。

台数ベースで考えると市場に流通する天体望遠鏡の90%超が粗悪品と言って良いレベルのものだ。過剰な高倍率をうたい、架台はガタガタ、目的の天体に向ける事も難しい、まさに天体望遠鏡の形をした生まれながらの粗大ゴミだ。酷いものになるとピントがどこで合っているか分からない程、酷い対物レンズを使用している。月のクレーターさえまともには見えない。土星の輪なんて夢のまた夢という感じだ。

様々な宇宙や天文関係のニュースが増える中、プラネタリウムの人気も上々で、その年間入場者数はサッカーJリーグの全試合の動員数もしのぐ程という。しかしまともな天体望遠鏡は売れていない。とくに中級機から上級機の望遠鏡の販売が頭打ちだという。天文業界に籍を置く人間なら誰もが分かっている事実なのに、誰も手を打たない。一方、初級者向け望遠鏡はどうか。これはよく売れている。しかし中身が問題だ。初級用に売られている天体望遠鏡の90%超が粗悪品や超粗悪品なのだから。

何が起こっているのかよく考えて頂きたい。老舗天体望遠鏡専門店や信用ある光学機器メーカーや、我々天文ファンがエントリースコープを軽視しているうちに、良心を持たないメーカーや中国のメーカーが初心者市場を食い荒らしているのだ。使ったら一日目で壊れてしまうほど、やわな造りの望遠鏡。天体望遠鏡の筒先を目標の天体に向けクランプを締めて固定しても、カクンと角度にして10度も落ちてしまう望遠鏡の視野に、どうやって星を導入するんだろう? 望遠鏡の視野は角度にして1度しか無いのだ。肝心の上下微動も造りが悪く機能しない。前述したように対物レンズの精度も虫眼鏡を下回る。これは製品とは言わない。欠陥品だ。初心者は望遠鏡とはこんな程度のものかと考え、クレームしようとも思わないだろう。また、クレームしようにもどこにどう言ったらいいか分からない人もいる。初めて天体望遠鏡を使う入門者を騙す商品企画をするメーカー担当者は、犯罪者に近い。

汚れきり腐った大人が利潤の追求だけ考えて作った大人のエゴの固まりの様な望遠鏡を、騙されて買わされた両親の無念さと、それをプレゼントされた子供達の落胆は計り知れない。

立派じゃないけれど、見え方に限界はあるけれど、5000円以下でも値段なりの良質な望遠鏡は作れる。また、1580円でも値段以上によく見え、子どもの夢を広げる天体望遠鏡が作れるという良い見本が、私の大先輩が作った「組立天体望遠鏡」だ。それは子どもの夢を広げよう、天文人口の裾野を広げようという作り手の立派な信念に基づいているのだ。

現在日本で星を見ることを趣味とする人の数は減少している。宇宙への関心は高く、プラネタリウムへ行く人の数は増えているのに。初心者用の天体望遠鏡は良くうれているのに。

機能不全の粗悪な望遠鏡をエントリーユーザーが購入することにより、次々と新人の参入を入り口でブロックしているのだから仕方がない。

釣りを趣味にしようと、入門者がネットやホームセンターで釣り具を購入したとしよう。一匹目の魚を釣ったと同時に竿が折れたらどうだろうか。絶対魚が釣れない釣り針が付いた釣り具セットなど、どこを探しても売っていないだろう。

ここ日本は、初心者が最初に手に取り購入する望遠鏡のほとんどが、魚を釣り上げる前に折れてしまう竿のような望遠鏡であり、絶対に魚が釣れない仕掛けの付いた釣り具セットのようなものなのだ。そんな趣味、どこを見まわしても絶対にない。あたらしく天体観測を始めようとする人が少ない、大きな一因になっていると思う。

望遠鏡業界や天文業界に籍を置くあなたは、胸に手を当てて考えて欲しい。粗悪品を初心者が買ってしまうことの無いように最大限の努力をしなければならないと思う。
自分は騙されないし、そんな機材は関係ないと鷹をくくる天文ファン諸君も同罪である。このまま行くと天文雑誌は一誌もなくなり、専門店も消滅、優秀な望遠鏡を作るメーカーも消えていき、望遠鏡は高価な外国製のみとなるかもしれない。残るは粗悪な品ばかりとならない事を願いたい。

昨日は弊社併設図書室の開館式でした。




弊社の一部を提供し、図書室を準備中なのはこのブログを通して何度か報告させて頂きましたが、昨日遂に開館式を迎える事ができました。ちいさな天文図書館 森久保 原田 記念文庫として川崎天文同好会の大先輩よりご支援頂き、また新旧おりまぜて、沢山の蔵書を立ち上がったばかりの弊社にお預かりさせて頂けることは、私にとって身に余る光栄と感じていると同時に、今後も安定的かつ長期にわたり会社を運営し、貴重な書籍を預かっているという重責をしかと受け止め、この図書館を有効的に活用しながら、天文普及や天文教育や荒廃する理科教育復活の一助となるよう良品の天体望遠鏡普及に努力してゆく所存です。

今後とも、倍旧のご支援賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。          

株式会社 スターライト・コーポレーション 代表取締役社長 大沼 崇

図書館のご利用頂ける時間

開館時間 午前11時から午後18時30分 水曜日は休館とします。店と会社は営業しております。
その他休刊日 会社創立記念日 7月19日 社員旅行、棚卸日、年末年始12/31から1月3日(暫定)その他臨時店休日
貸し出しは現在のところ予定しておりません。


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コーティング




レンズが光を通るとレンズ表面で反射する事によって、光量のロスやレンズ内部での反射によるフレア、ゴーストの発生が生じる。これを防ぐために、コーティングを施して不必要な反射を防ぎ、最適なカラーバランスを保つようにしていた。これを単層膜コーティング(モノ・コーティング)という。やがて光学性能の要求の高まりと、蒸着技術の向上ととも1952年に千代田光学精工(後のミノルタ。現・コニカミノルタ)によって世界初の2層コーティングである、”緑のレンズ”とも呼ばれた「アクロマチック・コーティング」が開発され、重層膜コーティングが主流となっていく。そして、旭光学工業(現・ペンタックス)がOCLI社(米)による技術供与により開発、1970年に発表され、当時は驚異的ともいえた最多7層膜、透過率99.8%を実現させた「スーパー・マルチ・コーティング」を端緒とし、現在は多層膜コーティング(マルチ・コーティング)が主流となっている。「Wikipediaよりレンズの項目より抜粋」

コーティングなしの硝子は、約4%の光を反射してしまいます。透過率は96%という事になります。アクロマートレンズを考えてみると、空気との接触面が4面ありますから、アクロマートレンズにコーティングをしていないと、0.96X0.96X0.96X0.96=0.85となり、対物レンズ全系で85%の透過率となってしまう事が分かります。またレンズでの反射が酷くなるので、視界のコントラストも低下してしまう事になります。
アクロマートレンズで、モノコート(単層コート)を空気面全面に施せば、一面あたりの光の透過率は99%にまで向上し、表面での反射は1%になります。0.99X0.99X0.99X0.99=0.96レンズ全系で96%の透過率となり、コーティングしていない望遠鏡と見比べると歴然とした明るさの差が出てきます。

弊社の STL 80A MAXI鏡筒のアクロマートレンズには、透過率99.8%のHTMコーティング(マルチコートの一種)が全面にほどこされており、0.998X0.998X0.998X0.998=0.992 レンズ全系での透過率は99.2%のもなります。

つづく

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コーティング前の検査



洗浄後、コーティング前の検査をします。研磨痕や砂目が残っていないか、慎重に検査されます。一枚一枚のレンズをかなりの時間をかけ検査しています。芯取りと同様、外国製レンズではまず望めないことです。日本製アクロマートレンズの品質の安定性はこうした地道な作業にあるのです。

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次は洗浄




芯取りが終わると、いくつもの超音波洗浄槽に順番に入り段階的にレンズを洗浄します。レンズ表面に付いた汚れが綺麗に落とされ、最後は沸騰しアルコール蒸気が下から発生する槽で乾燥させます。発生したアルコール蒸気は冷却水で冷やされ再利用されます。出て来たレンズはもちろん拭き跡もなくピカピカの状態です。コーティング前の洗浄が不十分だとコーティング面がちゃんと定着しませんので最新の注意を要する非常に重要な作業なのです。
明日は、コーティング前の検査です。

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Author:Scopetech
2020年初頭より、スコープテックの天文情報やリリースなどは、ワードプレスベースの新ブログへ移行します。

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