2019年10月の星空情報

2019年10月の星空情報

台風15号で被害に遭われた方へのご連絡。
9月は台風15号の首都圏への上陸で、特に台風の進路の東側となった千葉県で、信じられないような、未曾有の暴風が吹き荒れ大変な被害が出ました。弊社のお客様でも被害に遭われた方が何人もいらっしゃると聞き、大変心を痛めております。
心よりお見舞い申し上げます。

台風被害で望遠鏡の被害に遭われた方は、特別に修理費を割引して対応しますから、弊社のフリーダイヤル0800-600-5759までご連絡ください。罹災証明書のコピーが必要になりますのでお手元にご用意頂けますよう宜しくお願い申し上げます。修理は生活状況が落ち着いてからという方もいらっしゃると思いますが、それもご都合に合わせられますのでご相談ください。

また台風被害で望遠鏡を逸失してしまい、今は望遠鏡自体が無いもしくは、処分してしまった方もできる範囲ではありますが、出来るだけの対応をいたしますのでご連絡ください。

2019年10月の星空情報です。

9月にご案内したみずがめ座φ星(明るさ4.1等)に接近した海王星を観察することは出来ましたでしょうか。私は9月初旬に遅い夏休みを八丈島と青ヶ島で過ごし、その時に口径40mmの双眼鏡で観察することができました。あの明るさですと、市街地では小口径では本当にぎりぎり見えるか見えないかという状況だったと思います。八丈島や青ヶ島は日本でも有数の美しい星空なので、わずが口径40mmのラプトル50よりちいさな双眼鏡でもはっきり見ることができました。

10月は、新型経緯台の展示と説明を下記のイベントで行います。

☆福島県田村市の星の村天文台にて行われる『星の村スターライトフェステバル』10月12日(土)〜10月14日(月)
12日大野天文台長講演会 13日 隕石(隕鉄)で刀鍛冶が製作する「隕石刀」の製作実演。など
http://www.city.tamura.lg.jp/soshiki/20/hosihomura-osirase.html

☆長野県南佐久郡小海町で行われる 北八ヶ岳小海『星空と自然のフェスタ』10月25日(金)〜10月27日(日)

☆「三鷹・星と宇宙の日」に観望会協力で出展予定です。自然科学研究機構 国立天文台、自然科学研究機構 アストロバイオロジーセンター、東京大学天文学教育研究センター、総合研究大学院大学天文科学専攻の特別公開イベントです。今年の開催日は、10月25日(金曜日)と26日(土曜日)。弊社の出展は10月26日(土)のみです。新型経緯台の展示と説明も行います。

https://www.nao.ac.jp/open-day/2019/

上記3つのイベントに出展予定です。新型経緯台『ZERO』の実演展示と製品説明会を行いますので是非足を運んでください。

メルマガやブログで使っている解説図版は、アストロアーツ社の星空シミュレーションソフト『ステラナビゲーター』で生成したものです。星空を楽しむ時、星空の写真を撮る時にとても便利なソフトです。

●今月のハイライト
10月の注目すべき天文現象をリストアップします。

1.木星と土星の観察は、日没後暗くなり始めたらすぐにはじめよう。遅くなると、どんどん地平線に近づいてきてしまい、大気の揺らぎの影響を受け良く見えなくなってしまいます。両惑星とも、観測シーズン終盤ですが、こどもの起きている時間に観察できます。

2.オリオン座流星群、言われているよりも良い条件で観察できます。下弦の月がありますが、下弦の月の光量は満月の1/10以下です。

〈目次〉
★10月の惑星たち
★10月の天文現象カレンダー
★10月の星空情報
★イベント情報
★オススメのテレビ番組

★10月の惑星たち
水星○10月20日東方最大離角になり夕方の西空で観察できます。
金星△夕方の西空低空
火星 × 先月9月4日に合、距離は約4億キロ、太陽に近く観測は難しい。
木星 ○日没後の南西の空でとても明るく見えています。観測シーズン終盤
土星  ◎10月10日東矩、宵の南の空で明るく見えています。観測シーズン!!
天王星 ◎10月28日に衝、夜半に南の空に見えています。
海王星 ○9月11日に衝、夜半に南の空。観測シーズンです
 



★10月の天文現象カレンダー
10月6日(日)上弦の月 夕方から夜半前に見える半月です。月の観察の好機です。クレーターがとてもよく見えます!木星が東矩。太陽の東側に90度の位置に。日没時に南中する位置にある。
普段見つけにくい海王星が、みずがめ座φ星(明るさ4.2等)に近づき見つけやすい。前後10日ほどはφ星をたよりに見つけやすい状態が続く。 

10月9日(水)10月りゅう座流星群
10月10日(木)土星が東矩
10月11日(金)十三夜の名月

10月14日(月)体育の日、満月。満月の時は、クレーターはあまり見えませんが、海の部分の色や、クレーターから四方八方に広がる光条が良く見えます。

10月20日(日)水星が東方最大離角
10月21日(月)下弦の月 深夜過ぎから明け方に見える半月です。月のクレーター観察の好機です。

10月22日(火)オリオン座流星群が極大

10月28日(月)月新月 前後数日は一晩中月明かりの影響がなく、星空の観測に絶好。


★10月の星空情報
全ての図版は、クリックやタップをするとさらに大きく表示できます。

☆秋の星座に親しむ
秋の星空は、他の季節と比べるとやや地味な印象です。秋の星座を見つける目印は『秋の四辺形』と名付けられた4つの星が作る大きな四角形を見つける事から始めましょう。10月ですと、日没後、夜空が暗くなったころに頭上を見上げるとこの『秋の四辺形』を見つけることができます。『秋の四辺形』は、「ペガスス座」という天を駆ける馬を形どった星座の胴の一部です。
『秋の四辺形』を目印にして、様々な秋の星座を見つけることができます。秋の星座は、やや暗い星で構成されている星座が多いので、市街地ではなく、郊外地まで足を延ばすと見つけやすくなります。下図を参考に秋の星座を見つけて見てください。
201910月秋の星座案内


☆十三夜の名月
中秋の名月は中国由来ですが、日本のお月見は、十三夜の名月です。栗名月、豆名月などとも呼ばれます。
今年の十三夜は、10月11日(金)旧暦9月13日です。
満月少し前のまだ少しかけた月が十三夜の日に豆や栗などお供えして、お月見を楽しむのも風流ですね。十五夜と十三夜の月の両方を観るのがとても縁起が良いとされています。

2019年13夜の月



☆火星を除く、太陽系の7惑星がずらりと並ぶ
日没後に西空から東の空に7つの惑星がずらりと並びます。日没後に水星と金星を観察し、次に木星と土星を観察。完全に暗くなるのを待ち、海王星と天王星を観察すれば、夜半前に、合間も無い、太陽に近すぎて見えない火星を除く、太陽系の7つの惑星を短い間に観察できます。但し、天王星と海王星は、暗いため観察するには、詳しい星図を用意しましょう。
2019年10月7惑星ずらりと並ぶ



☆オリオン座流星群を見よう。
 10月22日に極大を迎えるオリオン座流星群ですが、オリオン座流星群は、中規模の流星群で、オリオン座とふたご座との境界付近に放射点があります。この放射点を中心に四方八方に流星が飛びます。地球に飛び込んでくる流星物質のスピードが速いため、比較的明るい流れ星が多く、1時間に5個から15個ほどの流星数ですが、2006年に突然大出現し、その時の流星数は60個に達しました。このように突然流星数が増えることもあるので、気が抜けません。

○今年のオリオン座流星群

 今年のオリオン座流星群は、夜半過ぎから下弦の半月の月明かりの影響を受けます。ただ「半月」は「満月」の1/10以下の明るさしかないので、影響は想像するほと大きくなく、オリオン座流星群の流れ星を見たり、撮影するにはまずまずの条件でしょう。とりわけ月が昇ってくる午前0時までは、月明の影響がなく撮影や観察が行えるはずです。
満月の時の流星群は、星が良くみえる街灯などの影響の少ない山や海へ遠征しても、月明かりが煌々と星空を照らし出してしまっているので、市街地でみる星空とあまり変わりません。しかし満月の1/10以下の明るさしかない下弦の月が夜半過ぎからかかる、今回のオリオン座流星群は十分に遠征の価値があると言えます。

○おすすめの観測日時、前後数日は観察できますが、やはり極大日がおすすめです。東の地平線からオリオン座がある程度の高さまで上がってくるのが23時ごろから観測を、月の出が24時少し前までは、月明かりの影響はありませんが、放射点が低いので流星数は少なめでしょう。午前2時半ごろに、放射点が南中し、地平高度が最も高くなります。夜が白み始めるころまでは流星数は増え続けると思います。

10月も下旬になると、標高や緯度によっては氷点下まで気温が下がりますから、防寒対策には気を使うようにしてください。

車で山奥や人里離れた場所で観測する場合、気をつけて頂きたい事があります。それは車のキーのロックアウトです。携帯電話が通じる場所であれば、まだ良いのですが、携帯電話の圏外ですと、助けを呼ぶ事が出来ず、車の中に戻ることも、車を動かす事もできなくなり、遭難の危険があります。車のキーの管理はしっかり行うようにしてください。
オリオン座流星群



★イベント情報

●2019年 乙女高原星空観望会暫定日程
第97回 10月25日(金)から10月27日(日)
第98回 11月22日(金)から11月24日(日)

最新の日程は下記リンク先をご覧ください。
http://otome.sblo.jp/

●2019年田奈観望会スケジュール
10月5日(土) 月齢6.7 金星と土星と木星
11月2日(土) 月齢5.3 金星と土星
最新の日程は下記リンク先をご覧ください。
http://scopetown.jp/kanbokai.html

●弊社が発売を準備している『ZERO』新記事をアップしました。
『ZEROの製品開発 その1』
https://solunarneo.blog.fc2.com/blog-entry-787.html

前回の記事と併せてご覧ください。

前回アップした記事:『新型架台『ZERO』のコンセプトと製品概要』
https://solunarneo.blog.fc2.com/blog-entry-785.html
約五年の歳月を掛け完成した新型架台『ZERO』発売までまだ時間がかかりますが、今月から量産を開始します。ぜひご覧ください。発売前から注目を浴び、欧米での発売準備も始まっています。

下記リンク先でも、このメールマガジンの内容が読めますので併せてご活用ください。

https://solunarneo.blog.fc2.com/blog-entry-786.html



おわりに
メールマガジンご意見などございましたら、下記のメールアドレス宛に感想など頂けると幸いです。

webmaster@scopetown.jp

よろしくお願い申し上げます!

2019年9月30日   
スコープテック 大沼 崇


############################################################株式会社スコープテック 大沼崇のフェイスブックアカウント
https://www.facebook.com/takashi.onuma.7
天文情報、観望会情報ほか、写真、天気、食べ物、など色々情報を流しています。
ぜひお友達申請もしくはフォローしてみてください。

・星空と天体観測のブログ
ブログをヤフーブログからFC2ブログに引っ越しました。ヤフーブログが廃止になるためです。過去記事を含め全コンテンツを移動しております。
https://solunarneo.blog.fc2.com/
さまざまな天文現象のお知らせや解説。自身で撮影した天体写真などや、おすすめの本など紹介しています。星空情報メールでは案内しないマニアックな天文現象も紹介しています!

・乙女高原星空観望会
http://otome.sblo.jp/
山梨市牧丘町柳平で毎年10回開催している星空観望会のご案内です。天の川の見える最高の環境と豊かな自然に恵まれた場所でくつろぎながらみんなで星を見ませんか?望遠鏡を持たない初心者の方もたくさん参加しています!2019年の日程は上記サイト上でご案内しています。
・田奈星空観望会
また弊社の近くの田奈でも毎月一回観望会が行われています。どなたでも参加できます。こちらも初心者大歓迎です。望遠鏡を持っていない方もお気軽にどうぞ。
毎回30人以上の方が参加されています。2019年の日程は下記リンク先でご確認ください。
http://scopetown.jp/kanbokai.html
############################################################




スポンサーサイト



ZEROの製品開発 その1

ZEROの製品開発 その1
IMG_8623.jpg


片持ちフォーク式の経緯台が、一般に対して多く普及するようになったキッカケは、ポルタ経緯台の発売がきっかけです。標準的なアリガタアリミゾでの鏡筒との接続を採用し、その使いやすさと汎用性から多くのユーザーに愛用されています。以後様々なメーカーから、フォローオンプロダクツが発売されました。そういう意味で、弊社の新型架台『ZERO』も、ポルタに追従する製品と言えます。

●後発製品として求められること
後発製品として、製品を発売する場合。先発品と同じようなものを作ってもほとんどインパクトはありません。架台の場合は、積載重量、コストパーフォーマンス、使いやすさ、汎用性、振動減衰の速さ、デザインなど様々な性能や要素で、先発品を上回らなければなりません(全て上回るのが理想ではありますが、それはなかなか出来ない相談ですね。)

先発品を超える手法として、禁じ手ですが、デッドコピーというお隣の国が使う手法があります。同じような性能のものを、圧倒的に安い金額で市場に出すのです。開発費もほとんどかかりませんし、安い労働力にものをいわせて、圧倒的に安い金額で市場に製品を供給することが可能です。もともとの製品はかわいそうなことに、市場から追い出されてしまう事があります。

例示すると天文業界で有名な例は、GP赤道儀だったりします。今だにGP赤道儀のクローンの系譜は、セレストロンやシンタをはじめとする中国に関係のあるメーカーの赤道儀にその名残を見ることができます。片やオリジナルのGP赤道儀は、無くなってしまったわけですから、その影響は甚大です。

じゃあ、スコープテックはどうするのか。ということなんです。ポルタのデッドコピーみたいなのを、より安い工場で作る。これならほとんど開発費をかけずに、めっちゃ安い金額で市場にポルタもどきを供給することは可能です。ある程度、儲ける事もできます。リスクも少ない『濡れ手に粟商売』。

しかし、これでは色々言われてしまします。色々なところから。特許や意匠登録に引っかからなければ、OKなんでしょうか。いやいやスコープテックとしては、プライドがありますからそんな事はしたくもないし、最初からそんなことは一切考えませんでした。


●片持ちフォーク式経緯台のメリット
・鏡筒前後バランスを取ると、シーソー型経緯台のように、望遠鏡の仰角の変化により前後バランスが崩れない。>>フリーストップの実現。

●片持ちフォーク式経緯台の弱点
・シーソー型経緯台に比べると、アームがかさばる。持ち運び時に甚だ邪魔である。
・アームの強度不足により、固有振動数が低くなりやすい。>アームを無くした改良品の存在
・重量物である望遠鏡本体を1つのアームで支えるため、アームの剛性が不足すると振動が多い架台になってしまう。
・アームの角度を調整できるようにしたいが、そこが強度的な弱点となる場合が多い。
・軸の強度を上げようとすると、軸が大径化し、重量がかさんでくる。

●軸の重要性
高度軸には、軸に対して垂直方向に力が掛かるため、重量のある鏡筒を搭載した場合に、その部分が弱点となる。また水平軸には軸方向(垂直方向)に力が掛かるが、搭載鏡筒の大きさによっては、水平方向のバランスを取ることが出来ないのでやはり軸に対して軸の左右で非対称の力が加わることになる。
必要な強度に応じて、水平軸と高度軸の設計を別にすることも考えられるが、それはコストアップに繋がってしまう。


●需要の調査。
8から10センチクラスのアポクロマート鏡筒を持っていて、普段は赤道儀に載せて撮影などに使っているユーザーも、時には、経緯台に載せて気軽に星を見たいという需要がある。しかし、既存の片持ちフォーク式の経緯台は、強度的が足らず、10センチのアポクロマート鏡筒を搭載するには厳しいものが多い、まず振動の問題がある。低倍率での観察であれば我慢ができるが、ちょっと惑星を高倍率で見たいという時は、口径8センチの鏡筒でも、振動の影響を大きく受けてしまう。振動でピント合わせにも一苦労。さらにフリーストップとは言っても、動きは渋めで気持ち良いフリーストップが実現できていない。T型の強度のフリーストップマウントを購入してみたものの、大きめの鏡筒を載せても十分な強度があるのは良いが、構造上重たい鏡筒を載せると反対側にバランスウェイトを付けることになる。そうするとウィエイトも含めた赤道儀と重量はさほど変わらなくなってしまう。ユーザー側にそんな悩みがあることがわかってきた。

●市場で求められる架台のアウトライン
T型のマウントのように、滑らかに動くフリーストップマウントで、なおかつ高倍率で使う時にやはり便利な微動装置付きの、軽量で振動の少ない頑丈な片持ちフォークマウントを作れば売れるかもしれない!ということが分かってきた。
それに加えて、アームの角度が可変で調整できて、なおかつ軽量で折りたたみできる機能があればいう事ないなと考えた訳です。

●求められる架台の要素のリストアップ

☆架台の仕様として必要な項目
・極めて滑らかでピタリと止まるフリーストップ
・バックラッシュの少ない正確な動きの微動装置
・振動の収まりが早い高剛性なフォークアーム
・フォークアームの振出角度が調整できる
・軽量
・工具なしで分解できてコンパクトになる

☆機能的に求められるもの
・様々な他社製三脚に取り付けできる
・さまざまな他社製鏡筒バンドやアリミゾ、アルカスイスなども取り付けられる。
・今後の発展性を見込んでいる

リストアップは簡単ですが、相反する事が要求されていて実現は簡単ではない事が分かるでしょう。

思えば、ポルタ登場から10年以上が経過しても、片持ちフォーク式の経緯台でそんな製品がないというと、それは作るのがとても難しいことが理由であった。より強度があるものを目指した製品はあるが、なかなか実現できていないのが現状だったようです。

●軸の強度とアームの剛性の確保がポイント
片持ちフォークの水平軸と高度軸を比べた場合、軸に対してねじり方向に大きな力が掛かる高度軸の方がより強度を要することがわかる。

そこで、最初の設計の段階で、高度軸の必要な強度を考え、軸を設計し、それを両軸に利用することとした。軸の構造には秘密があります。架台のフリーストップのテンション調整を、一般的には軸の横からネジで押すタイプのものが多いのですが、他社と同じ軸の構造では、基本的に軸を大型化するしか強度を上げるしかありません。大径化は大幅な重量増をもたらします。

反対側から軸全体を引っ張る構造にする事で、ガタや緩みをとり、軸の内部で接触面積をふやし、小さい軸でもガタが出ない構造にしました。
Snap6.jpg


軽量化を目指した軸の小径化は、別の問題も産み出しました。ウォームホイルを小径化するしかないのです。ウォームホイルの小径化は、微動軸のフィーリング悪化を招きます。これには随分悩まされましたが、ウォームケースの高精度化、ウォームの大径化、ギアー系(ウォームホイルとウォーム)の高精度化など、様々なポイントで設計と加工精度を見直し、1つ1つ解決していきました。どこでヒントを得たかというと、それは、かつて素晴らしい望遠鏡を多数送り出した、日本精光研究所(ユニトロン)の6センチ赤道儀です。ウォームホイルは平ギアに近いコストのかからない小径ウォームホイルを採用していましたが、ウォームの直径を大きくすることにより、素晴らしく滑らかな微動の感触を得ていたのです。

●片持ちのフォークアーム
片持ちフォークアームの剛性は、軸の強度とともに架台全体の振動にとても大きな影響を与えます。軸がいくら頑丈でも、アームの剛性が低いと振動は収まりません。
当初の設計でもそれなりの強度は出ましたが、試作を作ってみて実際に鏡筒を載せてみると、既存の製品より優れた振動減衰が出来ていましたが、ユーザーの皆さんが要求する高い目標値にたいしては、まだアームの剛性が足りず随分苦労しました。細かい話は以後に譲りますが、まずは当初の微動軸の位置が問題でした。アーム外側に設置することにより、アームの厚み一杯にリブの高さを上げることができるようになりました。外観上は、微動軸の位置を内側にした方がアーム先端の形状が丸くなりスマートなのですが、内側にすると、ウォームホイルとウォームのクリアランスを調整するイモネジを内側に設置するしかなくなる、ツールのアクセスの関係で補強リブの高さに制限が出てしまうのです。
IMG_3544.jpg

IMG_9857 2




剛性を考えると外側にした方が断然有利ということになり設計を変更しました。数度の設計変更をしながら、試作を繰り返し、最新のエンジニアリングを取り入れ、さらにアーム内のリブを含めた構造自体を、最新のCADシステムで解析し、応力が集中する部分がないように再設計を行いました。
その間に重量はほとんど変わらずに、数倍の剛性アップを果たしたのです。

IMG_5814.jpg

IMG_5813.jpg

IMG_5549.jpg


続く

2019年9月の星空情報

2019年9月の星空情報です。


下記リンク先でも、このメールマガジンの内容が読めますので併せてご活用ください。

https://solunarneo.blog.fc2.com/blog-entry-784.html

●今月のハイライト
9月の注目すべき天文現象をリストアップします。

1.木星の観察は、日没後暗くなり始めたらすぐにはじめよう。土星がこどもたちが起きている時間帯に見やすい位置に!
2.海王星がみずがめ座φ星(明るさ4.1等)に近づいて見えています。それを目印に普段見つけにくい海王星を見つけるチャンスです。

〈目次〉
★9月の惑星たち
★9月の天文現象カレンダー
★9月の星空情報
★イベント情報
★オススメのテレビ番組



★9月の惑星たち
水星 x 9月3日外合になり、以後夕方の西空へ
金星△ 8月13日に外合、9月ごろから夕方の西空低空
火星× 9月4日に合。距離は約4億キロ、太陽に近く観測は難しい。
木星○日没後の南西の空でとても明るく見えています。観測シーズン!!
土星◎宵の南の空で明るく見えています。観測シーズン!!
天王星○未明に南の空に見えています。
海王星○9月11日に衝、夜半に南の空。観測シーズンです
 



★9月の天文現象カレンダー

9月3日(火)水星が外合
9月4日(水)火星が合。地球から見て太陽の向こう側に回り込んだ位置関係で、地球から見ると太陽に近すぎて観測はできない。地球から遠く離れていて、距離は約4億キロ。

9月6日(金)上弦の月 夕方から夜半前に見える半月です。月の観察の好機です。クレーターがとてもよく見えます!木星が東矩。太陽の東側に90度の位置に。日没時に南中する位置にある。
普段見つけにくい海王星が、みずがめ座φ星(明るさ4.2等)に近づき見つけやすい。前後10日ほどはφ星をたよりに見つけやすい状態が続く。 

9月7日(土)田奈星空観望会です。月や土星や木星や秋の星座を楽しみましょう。

9月11日(水)海王星が衝 地球から見て太陽と180度反対の位置にくる。観測の好機

9月13日(金)中秋の名月。満月1日前。月見団子をお供えして、伝統的なお月見を楽しんでください。

9月14日(土)満月です。満月の時は、クレーターはあまり見えませんが、海の部分の色や、クレーターから四方八方に広がる光条が良く見えます。

9月22日(土)下弦の月 深夜過ぎから明け方に見える半月です。月のクレーター観察の好機です。
9月27日(金)から9月29日(日)第96回乙女高原星空観望会

9月29日(日)新月 前後数日は一晩中月明かりの影響がなく、星空の観測に絶好。

★9月の星空情報
全ての図版は、クリックやタップをするとさらに大きく表示できます。

☆惑星の合、外合、内合、衝、東矩、西矩、東方最大離角、西方最大離角ってなに?
地球が太陽の周りを公転する軌道より内側の軌道を公転する水星と金星を『内惑星』、地球より外側の軌道を公転する、火星、木星、土星、天王星、海王星を『外惑星』といいます。
下の図からもわかるように内惑星は地球との位置関係により、地球から観察すると月のように満ち欠けします。

惑星は、「合」の位置に来た時は太陽に近すぎて観察できません。内惑星は、ふたつの「合」があります。内惑星は「内合」の付近にいる時に、地球との距離が一番近くなり、「外合」の付近にいる時に地球との距離が一番遠くなります。外惑星は、「合」の付近にいる時に地球との距離が一番遠くなりますが太陽に近すぎて観察できません。「衝」の位置付近にいる時に地球との距離が一番近づき、深夜に南中し、地球から見える視直径が一番大きく明るく見えるようになります。「東矩」は地球から見て太陽から東側に90度離れた場所に来た時を言い、「西矩」は地球から見て太陽から西側に90度離れた場所に来た時を言います。東矩の位置に外惑星がある時、太陽の日没時に外惑星は南中し、西矩の位置に外惑星がある時、太陽の日の出時に外惑星は南中します。
惑星の位置説明
 

☆海王星にチャレンジしてみよう。
海王星が9月11日に衝になります。海王星は太陽系の惑星の中で一番外側を回る惑星で、地球の直径の約4倍もある比較的大きな惑星なのですが、地球からの距離が一番近づいた時でも地球から太陽までの距離の約30倍も遠く、明るさは7.8等しかなく、暗く小さくしか見えないので、見つけるのはやや困難なのですが、今は、みずがめ座のφ星(明るさ4.2等)の近くにいるので、普段と比べるととても見つけやすく、観測のチャンスなのです!7.8等級の明るさはなので、弊社の小型望遠鏡ラプトル50でも目を凝らせば見つけられる明るさです。今回のように目印の明るい星がないと、8等前後の星は、それこそ夜空に数万個はありますか、どれが海王星なのか見分けるのは困難ですが、今回は目印となる星があり見つけやすいという訳です。こんなチャンスはそうそうないのです。
ガイドマップを頼りに見つけてみましょう。まずはみずがめ座を見つけましょう。
みずがめ座海王星見つけよう!



みずがめ座を見つけたら、星図を頼りにφ星を50倍から100倍の接眼レンズをセットした天体望遠鏡の中心にφ星を入れて、下の星図を頼りに海王星を見つけてみましょう。
海王星正立像チャート

海王星倒立像チャート

海王星正立鏡像チャート





○どんなふうにみえるか。
天王星や海王星は、ラプトル50やラプトル60のような、小さな望遠鏡で観察しても、土星や木星のように面積をもった像としては見えません。それは余りに遠く小さくしか見えないからです。アトラス80のような、口径8センチの望遠鏡で160倍近い倍率を掛けてよーく観察すると、恒星とは違い面積を持った小さな小さな丸い像であることがわかります。特徴的なのは色で、天王星は僅かに緑がかった青色。海王星は薄い青色の小さな円盤像であることが分かるでしょう。


○分類
海王星は、天王星とともに、巨大氷惑星に分類されている星です。土星と木星と同じように海王星は、分厚い水素やヘリウムの大気が取り巻いていますが、その大気の下は、水やメタンやアンモニアの氷が分厚い層をなし、中心には岩石で構成された核があります、木星と土星のような巨大ガス惑星とは区別して、巨大氷惑星に分類されています。

○発見
発見は、その前に発見されていた天王星を詳細に観測したところ、予期しないふらつきが観測され、天王星の軌道が、未知の惑星の重力に乱されている事がわかりました。それを逆算して、未知の惑星が、この辺りにあるはずとフランス人の天文学者ユルバン・ルヴェリエの計算により予想された位置を集中して観測した結果、発見されたのが海王星だっとのです。発見者はドイツの彗星を専門的に研究していた天文学者ヨハン・ゴットフリート・ガレで,1846年9月23日のことでした。現在は、計算者であるルヴェリエとガレによる共同発見ということになっています。

○表面のようす
地球からとても遠いので、地球からの天体望遠鏡では長年表面のようすの詳細を観測することはできず、初めて表面のようすの詳細が分かったのは、1989年の探査機ボイジャー2号のフライバイ観測の時です。近年は、地上の高性能巨大望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡での観測で地球からでも大まかな表面模様の変化が捉えられるようになりました。

○太陽系一の風が吹く暴風惑星
海王星の上層大気では、太陽系の惑星で最も激しい、地球の暴風の約10倍の秒速600メートルとても強い風が吹いていて、表面の模様はダイナミックに変化します。これは表面の模様の変化が比較的穏やかな、同じ巨大氷惑星の天王星との大きな違いになります。

探査機ボイジャー2号が撮影した海王星の画像
Neptune_Full.jpg




●引き続き木星と土星も観測の好機です。
南中時間が早まり、木星は日没の頃南中。土星も20時ごろに南中しますので、両惑星とも西に傾いて地平高度が下がる前、早めの時間帯に観察しましょう。
土星のリングの



★イベント情報

●2019年 乙女高原星空観望会暫定日程
第96回 9月27日(金)から9月29日(日)
第97回 10月25日(金)から10月27日(日)
第98回 11月22日(金)から11月24日(日)

最新の日程は下記リンク先をご覧ください。
http://otome.sblo.jp/

●2019年田奈観望会スケジュール

9月7日(土) 月齢8.1 土星と木星と天王星
10月5日(土) 月齢6.7 金星と土星と木星
11月2日(土) 月齢5.3 金星と土星
最新の日程は下記リンク先をご覧ください。
http://scopetown.jp/kanbokai.html



おわりに
メールマガジンご意見などございましたら、下記のメールアドレス宛に感想など頂けると幸いです。

webmaster@scopetown.jp

よろしくお願い申し上げます!

2019年8月30日   
スコープテック 大沼 崇


############################################################
株式会社スコープテック 大沼崇のフェイスブックアカウント
https://www.facebook.com/takashi.onuma.7
天文情報、観望会情報ほか、写真、天気、食べ物、など色々情報を流しています。
ぜひお友達申請もしくはフォローしてみてください。

・星空と天体観測のブログ
ブログをヤフーブログからFC2ブログに引っ越しました。ヤフーブログが廃止になるためです。過去記事を含め全コンテンツを移動しております。
https://solunarneo.blog.fc2.com/
さまざまな天文現象のお知らせや解説。自身で撮影した天体写真などや、おすすめの本など紹介しています。星空情報メールでは案内しないマニアックな天文現象も紹介しています!

・乙女高原星空観望会
http://otome.sblo.jp/
山梨市牧丘町柳平で毎年10回開催している星空観望会のご案内です。天の川の見える最高の環境と豊かな自然に恵まれた場所でくつろぎながらみんなで星を見ませんか?望遠鏡を持たない初心者の方もたくさん参加しています!2019年の日程は上記サイト上でご案内しています。
・田奈星空観望会
また弊社の近くの田奈でも毎月一回観望会が行われています。どなたでも参加できます。こちらも初心者大歓迎です。望遠鏡を持っていない方もお気軽にどうぞ。
毎回30人以上の方が参加されています。2019年の日程は下記リンク先でご確認ください。
http://scopetown.jp/kanbokai.html
############################################################




新型架台『ZERO』のコンセプトと製品概要

新型架台『ZERO』のコンセプト

●使いやすい片持ちフォークマウント
経緯台式の架台で、片持ちフォーク式架台は、世の中に多く出ています。経緯台式のマウント形式として現在主流といえるもので、シーソー式の架台に比べ、片持ちフォーク式の架台は、一度バランスをとってしまえば、望遠鏡の仰角の変化によるバランスの崩れがなくとても使いやすいという大きなメリットがあり、その利点により、シーソー式架台に比べ、フリーストップ式の架台がとても使いやすいという特徴があります。
しかしながら、現在流通している片持ちフォークマウントは、剛性や振動の収束という点で、ほとんどの製品で「問題」を抱えており、弊社で新型の片持ちフォークマウントを開発するにあたり、これまでの片持ちフォークマウントの弱点の解消というのが、大きな目標となりました。
Snap2.jpg


●ZERO〜文字通りゼロからのスタートでした
弊社で片持ちフォーク式架台の構想が始まったのは、約10年前になります。当初は弊社のアトラス80架台で使っている水平軸をそのまま活用して、片持ちフォーク式経緯台が実現できないか。というところから設計が始まりました。開発経緯と経過に関しては、沢山の人が関わり、興味深い話も沢山あるので、いずれ詳細を記事にしたいとおもいます。
今回は、この架台がどのような特徴を持つのか、どんな架台なのかを中心にお話しをしたいと考えています。


●CAE技術者による徹底的な応力解析により実現した『高剛性アーム』と『軽量化』の両立
片持ちフォーク式架台にとって、アームの剛性を究極的に高める事はとても重要です。FEMで解析し最適化したクロスブレース(補強)を配置し、ねじり剛性を高め、固有振動数を高めることにより、振動の収束が極めて早い、軽さと強度を両立したアームを実現しました。架台全体の重量は僅か1.5kgしかありません。
Snap7.jpg



○高度と水平回転軸の強度アップと滑らかなフリーストップの実現
従来の片持ちフォークマウントの多くは、高度軸に大きな問題を抱えていました。アームの剛性とともに、回転軸の強度の確保はクリアすべき大きな課題でした。
水平軸と高度軸の直径を大きくし、軸径を大きくすれば、強度は上がります。しかしながら重量はとても重くなってしまいます。軸の外径は細身にしながら、中心を通るボルトの直径を限界まで大きくし、さらに軸と軸受(メタル)の接触面積を最大限大きくする事により、軸の滑らかな動きと強度アップを実現しました。重めの鏡筒を載せてもビクともしない頑丈で滑らかな回転軸を実現、積載限界重量を大幅に高める事が出来るようになりました。
Snap6.jpg


○工具を必要としないフリーストップのフリクション調整機構
高度軸と水平軸には、操作性に優れたフリクション調整ノブを装備。工具を必要としないフリクション調整を可能としています。片持ちフォークマウントでは他社に類を見ない利便性を実現しました。
Snap8.jpg


○高剛性アームと回転軸の高度な設計技術により、外観からは想像できない耐荷重を実現
 『ZERO』は、外観からは想像出来ない搭載重量を実現しました。原村星まつりや胎内星まつり会場で製品展示を行った際に搭載した鏡筒の重量は、天頂ミラーと大型の接眼レンズを加えて、なんと全備7キロ越えの口径10センチの三枚玉アポクロマート。従来の殆どの片持ちフォークマウントなら、完全に根を上げるヘビー級の望遠鏡でした。『ゼロ』のアームはタワミも無く、微動のないT型フリーストップマウント並みの滑らかなフリーストップフィーリングを実現し、弊社製品をご覧いただいたお客様を驚かせました。

○微動軸
微動の動きを滑らかにするには、ウォームホイルの大径化が一般的ですが、ウォームホイルの大径化は、回転軸の大型化に繋がり架台重量の増大を招きます。そこでウォームホイルに接するウォームギアの直径を最大限に大きくし、ウォームホイルとの線接触の距離を稼ぐ設計とすること、ウォームホイルとウォームギアの加工精度を高くする事でウォームホイルの直径は小径ながら、微動軸を回した時の感触を良くしました。


『バリアングルアーム』
アームの角度を可変させる事が出来れば、片持ちフォーク式の経緯台にとって多くのメリットがあります。アームの振り出し角を変えれば、アームの長さを抑えたままでも、観測する天体の仰角の制限はできますが、より鏡筒外径の大きな鏡筒を搭載できるようになります。
可変アームの実現に当たっては、様々な方法が考えられますが、本架台では、角度調整時に工具も必要ぜず、全体の剛性に影響を与えない結合方式であるハースジョイント(菊座)を採用しました。またハースジョイントの採用により、10度ピッチでのアーム振り出し角の調整が可能になるなど結合強度以外にも多様な用途に使えるようになるなど大きなメリットがあります。
Snap9.jpg


高度軸基部の『多様な3rdパーティー製アクセサリーへの対応』
M6ネジX2 35mm間隔
M8ネジX2 35mm間隔(タカハシ互換)
のネジ穴を装備し、3rdパーティーから発売されている、アルカスイス規格のアリミゾやビクセンやロスマンディー規格の各種アリミゾホルダーが取り付け可能になっています。
Snap4.jpg

水平軸底部の『多様な三脚への対応』
底部には中心に3/8インチメスネジ オフセットしたところにも3/8インチメスネジが装備されています。オフセットで配置された3/8インチメスネジには、お手持ちの1/4インチネジへの変換アダプターを格納しておく事ができます。
Snap3.jpg

このように、スコープテック新型経緯台『ZERO』は、弊社内の人間のみならず、弊社外のアマチュア天文家や技術者も含めた様々な人たちの優れたアイディアや技術の結晶であり、そのひとりひとりの皆様のこれまでのご協力とサポートに心から感謝するとともに、今後のますますの本製品の発展的進化にもみなさまのアイディアを取り入れ常に進化していく製品として、これからも周辺パーツの開発に力を入れていく事をお約束するものです。

今後とも、スコープテック製品をご愛顧頂けますよう、宜しくお願い申し上げます。

(株)スコープテック 大沼 崇

2019年8月の星空情報(もりもりもりもり盛りだくさん!)

2019年8月の星空情報です。

この星空情報は、下記リング先でもブログ記事としてご覧になれます。
今月は、子供達の夏休みという事もあり、8月の月齢と天文現象カレンダーも作りました。下にダウンロードリンクがありますので、USBメモリーなどで保存してコンビニでプリントアウトしてください。A3サイズなので一般のご家庭ではなかなかプリントできませんからね。白黒20円でプリントできます!


●今月のハイライト
8月の注目すべき天文現象をリストアップします。

1.夏休みは、木星と土星がこどもたちが起きている時間帯に見やすい位置に!
2.月の観察もオススメです。8月1日が新月でキリが良く、自由研究に『月の観察』も
オススメです。

〈目次〉
★8月の惑星たち
★8月の天文現象カレンダー
★8月の星空情報
★ラプトル50とラプトル60が湘南T-SITEの店頭で期間限定で展示販売を開始しました
★星まつりのご案内
★イベント情報
★この夏オススメのアポロ11号実写映画
★オススメのテレビ番組



★8月の惑星たち
水星 ○8月10日西方最大離角となり明け方の東空低空に見えています。
金星  × 8月13日に外合、まだ太陽に近すぎて観察は困難です。9月ごろから夕方の西空へ
火星 × 8月29日に地球からもっとも遠く離れます。距離は約4億キロ、大接近と比べると約7倍の距離です。太陽に近く観測は難しい。
木星 ◎ 宵の南の空でとても明るく見えています。観測絶好シーズン!!
土星  ◎ 夜半の南の空で明るく見えています。観測シーズン!!
天王星 △から○未明に東の空に見えています。
海王星 ○夜半過ぎ南の空。 

★8月の天文現象カレンダー
8月1日(木)新月 前後数日は一晩中月明かりの影響がなく、星空の観測に絶好。


8月7日(水)旧暦の七夕です。 海や山など市街地の光に邪魔されない場所へ行けば、天の川と織姫星と彦星が見えそうです。晴れると良いですね。

8月8日(木)上弦の月 夕方から夜半前に見える半月です。月の観察の好機です。クレーターがとてもよく見えます!


8月9日(金)から8月10日(日)第93回乙女高原星空観望会です。


8月10日(土)水星が西方最大離角 湘南T-SITE天体観望会(予備日11日)

8月13日(火)ペルセウス座流星群 月明かりに邪魔されますが、月が沈んでから空が明るくなるまでの僅かな時間、チャンスはあります。8月10日ごろから流れ星が飛ぶので極大日より前に楽しむのもありです。

8月15日(木)満月です。満月の時は、クレーターはあまり見えませんが、海の部分の色や、クレーターから四方八方に広がる光条が良く見えます。

8月17日(土)田奈星空観望会!夏休みの思い出に如何ですか。月や木星、土星を見ましょう!

8月23日(金)下弦の月 深夜過ぎから明け方に見える半月です。月のクレーター観察の好機です。
8月29日(木)火星が地球から最も遠く離れます。
8月30日(金)新月 前後数日は一晩中月明かりの影響がなく、星空の観測に絶好。

★8月の星空情報
全ての図版は、クリックやタップをするとさらに大きく表示できます。

☆月の観察をしませんか。
今月は8月1日が新月、8月31日が新月となり、新月から月が日に日に太って行き、15日の満月を経て、月末の新月に向けて再び月が欠けていくようすを連続的に観察できます。満月過ぎの21日の月の出は21時34分なので、早めに寝てしまう小学生でも、寝る前に月の観察を毎日できるのではないかと思います。

先月の7月20日に、人類が地球以外の天体に初めて降り立ってから50周年となりました。当時のようすや米国NASAのアポロ計画により月の有人探査の歴史や、2020年代に本格的に米国、ヨーロッパ、日本、ロシアなどの協力で始まる新たな有人月探査の計画などをインターネットや本で調べたり、実際に肉眼や望遠鏡で月の観察して記録をつけることも、自由研究のネタとしてはとても面白い題材になるのではないかと思います。

 今回は、8月の月齢と天文現象のカレンダーを作りました。PDFファイルで下記リンク先よりダウンロードできますのでぜひご利用ください。USBメモリースティックやメモリーカードなどに入れてお近くのコンビニでA3サイズでプリントしてください。白黒の原稿なので僅か一枚20円でプリントアウトできます。ぜひ壁に貼って頂きご利用頂けたらと思います。

こちらです!

月の模様の豆知識
肉眼で月を見ていると、一様に白く輝いている訳ではなく、薄黒い部分があるのが分かります。望遠鏡が無かった時代から、人々はこの影絵のような模様に、もちをつくうさぎ』『カニ』『吠えるライオン』『二宮金次郎』など様々な動物や人物などを当てはめてきました。この模様、実は大昔に月に月の表面をえぐるような巨大な隕石が衝突し、その衝突によりえぐられた月の大地に、月の内部から染み出してきたドロドロの溶岩が広がり、やがて冷えて固まりできた黒い溶岩台地です。望遠鏡で見ると月の表面には、無数のクレーターが観察できますが、クレーターを作った小天体より、ずっと巨大な小惑星クラスの巨大な天体が月に衝突した時に出来たのが月で『海』と呼ばれている地形なのです。

MOON海MAP

この月の模様ですが、月が空のどこに見えているかで、模様の傾きが違います。満月に近い8月15日、前後2日ほどは、月の模様が肉眼でも良く見えますから、東の空から上ってきたばかりの月、深夜に南の空に掛かった時で、模様のようすが違うか良く観察してみてください。そしてなぜそのような事が起こるのか考えてみてください。
5月の位置による傾き

8月前半の毎日19時30分の月の位置
8月前半月


☆木星と土星が見頃です。
今年の夏休みは、木星と土星がこどもたちが起きている時間帯にとても見やすい位置に来ますので、自由研究の課題としてもとても良い題材になると思います。
土星と木星がどんな天体か図鑑などで調べて、夜空に見える土星や木星の姿をスケッチしたり、望遠鏡で簡単に観察できる木星や土星の衛星の位置を毎日記録してみるのも良いでしょう。

 ラプトル50やラプトル60などの小型望遠鏡でみるとこんな感じに見えます。
土星木星こんな風に見える

木星を望遠鏡で覗くと最大で4つの衛星が見えます。土星は1つの衛星が見えます。衛星自体は、倍率が低くても十分見えます。

木星の衛星 30分ごとの位置
木星30分ごと


木星の衛星 1日ごとの位置
木星1日ごと



土星の衛星 1日ごとの位置
土星の衛星の動き


ここで気付くのは、木星の衛星と土星の衛星の動きの違いです。地球から見ると木星は赤道方向の真横から見ているので、各衛星の動きが左右に行ったり来たりしている感じで見えますが、土星は地球から見ると、土星のリングを見れば分かるように、斜め上から見ている感じになるので、土星の周りを楕円を描いてぐるりと回っている様子が観察できるのです。

衛星の観察を通して、色々な考察をしながら自由研究はとても楽しい体験になると思います。天候に恵まれ観察できない日があっても、何日か続けて観察していれば、色々分かることもあります。

とにかく、自由研究を楽しくするには、観察をしながら図書館に行って、見ている木星や土星や、太陽系の事をできるだけ調べあげることです。それが自由研究を宿題という義務感からやるのではなく、楽しんで自由研究をやることにつながると思います。
観察結果をまとめて、自由研究を完成させるころには、自由研究が楽しくてしかたない!そんな風になっていて欲しいです。事実、僕も小学校の時に、夏休みの楽しみは自由研究でした。先生に普段の勉強も、自由研究みたいに熱心にやってくれれば、と言われた程です。



木星と土星観察のコツ
現在土星は、いて座近辺にいます。天の川を挟んで反対側のさそり座近辺には、土星以上に明るく目立つ木星がいますので、木星を目印に土星を見つけると良いでしょう。明るさは、0.2等級(1等星の約2.1倍の明るさ)、天の川を挟んで隣合って見えている木星に比べると約1/10の明るさですが、都市部でも十分見える明るさで見えますから探すのは簡単でしょう。
南中(南の空で一番地平線から高い位置にくる時)する前後1時間ほどしか条件良く観察できる時間がありません。地平線からの高さがない(低い位置に見えている時)は、地球の大気の影響が大きくシャープには見えません。ですから南中する前後1時間を目安に観察すると良いでしょう。

木星観測のベストタイミング(東京基準)
8月初旬 19時から21時
8月中旬 19時から20時30分
8月下旬 19時から20時

土星観測のベストタイミング(東京基準)
8月初旬 20時30分から23時
8月中旬 20時から22時30分
8月下旬 19時30分から22時

北海道は、夜に空が暗くなるのが20時を過ぎてからなので、明るいうちからの観測になります。(特に木星)

上記観測時間は、経度差により
関西は、約15分遅くなります。
九州は 約30分遅くなります。 



土星や木星がどうしても見つけられない人は、月が近くを通過していくタイミングで見つけると良いでしょう。8月9日から8月10日は月が木星の近くを通りかかります。8月11日から13日は月が土星の近くを通りかかります。


★ラプトル50とラプトル60が湘南T-SITEの店頭で引き続き販売中。
8月1日からは売り場拡充となり、日の出光学の双眼鏡や、星の手帖社の組立天体望遠鏡、月や星のポスターの販売もはじまります。ぜひお近くの方は、お立ち寄りください。

T-SITEとは、蔦屋書店を中核としたライフスタイル提案型商業施設。代官山や湘南ほか全国5カ所で展開されているショッピングコンプレックスです。単に物を売っている従来型の店舗とは異なり、本を中心に分野別にコーナー展開がなされており、売り場担当者やバイヤーにより十分に吟味された魅力ある数々の製品が魅力あるコーナー展開で展示販売されているユニークな販売店です。

既存の量販店が、他店と同じ品揃えでインターネット通販との厳しい価格競争に晒される中で売り上げが伸び悩む中で、T-SITEは既存店舗ではほとんど取り扱いがないこだわりの商品や製品も並んでいて、訪れた人それぞれが色々な刺激を受ける売り場になっています。
ラプトル50とラプトル60は、日の出光学の双眼鏡などは、アウトドアーコーナーで展示販売されています。お近くの方は是非ご覧になってみてください。

IMG_5752.jpg


そしてその湘南T-Siteで、天体観望会をやります。第一駐車場にて8月10日16時(雨天の場合の予備日は8月11日です)からはじめます。最初は太陽専用の望遠鏡で、プロミネンスや黒点など、暗くなってきたら、月や土星や木星など見ましょう!お近くの方は是非お立ち寄りください。観望会は20時までとなっております!お早めにどうぞ。自由研究のご相談にも乗りますよ!今回の講師は、スコープテックの大沼と、全国の観望会でひっぱりだこの川合慶一氏の二人で行います!
是非お越しください!

こちらをご覧ください

★日本最大級の原村星まつりに今年も出展します。
今回は、スコープテックの新型製品のお披露目もあります。ぜひお立ち寄り頂けたらと思います。場所は原村 八ヶ岳自然文化園です。8月第1金曜午後5時~日曜午前9時(2019年は8/2~4)となっております!初心者からベテランまで楽しめるイベントです!沢山のメーカーやアマチュア天文家のみなさんが参加します!

こちらをごらんください。

★おすすめの映画
「アポロ11 完全版」
1969年当時の記録映像を4Kリマスターした、歴史ドキュメンタリー映画です。実写映像なので、映画にはない緊迫感と臨場感に溢れています。どんなに当時の人たちが、月へ人類がはじめて足跡を残した瞬間を固唾をのんで見守っていたかが分かります。また管制室のスタッフの緊張感などその場の張り詰めた空気がひしひしと伝わってきます。スタジオで撮影した映画にはないリアルノンフィクションストーリー、今夏一押しの映画です。
上映館がとても少ないので、ネットで調べてご覧ください。
また「アポロ11:ファーストステップ版」 は本作を再編集した短尺版で全国の科学館や博物館で上映されています。地元に上映館のない方は、こちらをご覧になっても良いでしょう。
アポロ11 完全版の予告編はこちら。

apollo11完全版






NASAのアポロ11号月着陸50周年サイト
当時の写真や動画資料が多数見られます。


こちらです。


★おすすめテレビ番組
コズミックフロントNEXTは、NHK BSプレミアムの宇宙番組です。
次回(8月1日(木)夜10時)は、天王星、海王星、冥王星です。
番組WEBサイト



★イベント情報

●2019年 乙女高原星空観望会暫定日程
第94回 8月9日(金)から8月11日(日)
第95回 8月30日(金)から9月1日(日)
第96回 9月27日(金)から9月29日(日)
第97回 10月25日(金)から10月27日(日)
第98回 11月22日(金)から11月24日(日)

最新の日程は下記リンク先をご覧ください。

こちらです!

●2019年田奈観望会スケジュール
8月17日(土) 月齢16.4 土星と木星
9月7日(土) 月齢8.1 土星と木星
10月5日(土) 月齢6.7 金星と土星と木星
11月2日(土) 月齢5.3 金星と土星
最新の日程は下記リンク先をご覧ください。

こちらです。



おわりに
メールマガジンや本ブログにご意見などございましたら、下記のメールアドレス宛に感想など頂けると幸いです。

webmaster@scopetown.jp

よろしくお願い申し上げます!

2019年7月30日   
スコープテック 大沼 崇


############################################################
株式会社スコープテック 大沼崇のフェイスブックアカウント
https://www.facebook.com/takashi.onuma.7
天文情報、観望会情報ほか、写真、天気、食べ物、など色々情報を流しています。
ぜひお友達申請もしくはフォローしてみてください。

・星空と天体観測のブログ
ブログをヤフーブログからFC2ブログに引っ越しました。ヤフーブログが廃止になるためです。過去記事を含め全コンテンツを移動しております。
https://solunarneo.blog.fc2.com/
さまざまな天文現象のお知らせや解説。自身で撮影した天体写真などや、おすすめの本など紹介しています。星空情報メールでは案内しないマニアックな天文現象も紹介しています!

・乙女高原星空観望会
http://otome.sblo.jp/
山梨市牧丘町柳平で毎年10回開催している星空観望会のご案内です。天の川の見える最高の環境と豊かな自然に恵まれた場所でくつろぎながらみんなで星を見ませんか?望遠鏡を持たない初心者の方もたくさん参加しています!2019年の日程は上記サイト上でご案内しています。
・田奈星空観望会
また弊社の近くの田奈でも毎月一回観望会が行われています。どなたでも参加できます。こちらも初心者大歓迎です。望遠鏡を持っていない方もお気軽にどうぞ。
毎回30人以上の方が参加されています。2019年の日程は下記リンク先でご確認ください。
http://scopetown.jp/kanbokai.html
############################################################




プロフィール

solunarneo

Author:solunarneo
FC2ブログへようこそ!

月別アーカイブ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR