2019年8月の星空情報(もりもりもりもり盛りだくさん!)

2019年8月の星空情報です。

この星空情報は、下記リング先でもブログ記事としてご覧になれます。
今月は、子供達の夏休みという事もあり、8月の月齢と天文現象カレンダーも作りました。下にダウンロードリンクがありますので、USBメモリーなどで保存してコンビニでプリントアウトしてください。A3サイズなので一般のご家庭ではなかなかプリントできませんからね。白黒20円でプリントできます!


●今月のハイライト
8月の注目すべき天文現象をリストアップします。

1.夏休みは、木星と土星がこどもたちが起きている時間帯に見やすい位置に!
2.月の観察もオススメです。8月1日が新月でキリが良く、自由研究に『月の観察』も
オススメです。

〈目次〉
★8月の惑星たち
★8月の天文現象カレンダー
★8月の星空情報
★ラプトル50とラプトル60が湘南T-SITEの店頭で期間限定で展示販売を開始しました
★星まつりのご案内
★イベント情報
★この夏オススメのアポロ11号実写映画
★オススメのテレビ番組



★8月の惑星たち
水星 ○8月10日西方最大離角となり明け方の東空低空に見えています。
金星  × 8月13日に外合、まだ太陽に近すぎて観察は困難です。9月ごろから夕方の西空へ
火星 × 8月29日に地球からもっとも遠く離れます。距離は約4億キロ、大接近と比べると約7倍の距離です。太陽に近く観測は難しい。
木星 ◎ 宵の南の空でとても明るく見えています。観測絶好シーズン!!
土星  ◎ 夜半の南の空で明るく見えています。観測シーズン!!
天王星 △から○未明に東の空に見えています。
海王星 ○夜半過ぎ南の空。 

★8月の天文現象カレンダー
8月1日(木)新月 前後数日は一晩中月明かりの影響がなく、星空の観測に絶好。


8月7日(水)旧暦の七夕です。 海や山など市街地の光に邪魔されない場所へ行けば、天の川と織姫星と彦星が見えそうです。晴れると良いですね。

8月8日(木)上弦の月 夕方から夜半前に見える半月です。月の観察の好機です。クレーターがとてもよく見えます!


8月9日(金)から8月10日(日)第93回乙女高原星空観望会です。


8月10日(土)水星が西方最大離角 湘南T-SITE天体観望会(予備日11日)

8月13日(火)ペルセウス座流星群 月明かりに邪魔されますが、月が沈んでから空が明るくなるまでの僅かな時間、チャンスはあります。8月10日ごろから流れ星が飛ぶので極大日より前に楽しむのもありです。

8月15日(木)満月です。満月の時は、クレーターはあまり見えませんが、海の部分の色や、クレーターから四方八方に広がる光条が良く見えます。

8月17日(土)田奈星空観望会!夏休みの思い出に如何ですか。月や木星、土星を見ましょう!

8月23日(金)下弦の月 深夜過ぎから明け方に見える半月です。月のクレーター観察の好機です。
8月29日(木)火星が地球から最も遠く離れます。
8月30日(金)新月 前後数日は一晩中月明かりの影響がなく、星空の観測に絶好。

★8月の星空情報
全ての図版は、クリックやタップをするとさらに大きく表示できます。

☆月の観察をしませんか。
今月は8月1日が新月、8月31日が新月となり、新月から月が日に日に太って行き、15日の満月を経て、月末の新月に向けて再び月が欠けていくようすを連続的に観察できます。満月過ぎの21日の月の出は21時34分なので、早めに寝てしまう小学生でも、寝る前に月の観察を毎日できるのではないかと思います。

先月の7月20日に、人類が地球以外の天体に初めて降り立ってから50周年となりました。当時のようすや米国NASAのアポロ計画により月の有人探査の歴史や、2020年代に本格的に米国、ヨーロッパ、日本、ロシアなどの協力で始まる新たな有人月探査の計画などをインターネットや本で調べたり、実際に肉眼や望遠鏡で月の観察して記録をつけることも、自由研究のネタとしてはとても面白い題材になるのではないかと思います。

 今回は、8月の月齢と天文現象のカレンダーを作りました。PDFファイルで下記リンク先よりダウンロードできますのでぜひご利用ください。USBメモリースティックやメモリーカードなどに入れてお近くのコンビニでA3サイズでプリントしてください。白黒の原稿なので僅か一枚20円でプリントアウトできます。ぜひ壁に貼って頂きご利用頂けたらと思います。

こちらです!

月の模様の豆知識
肉眼で月を見ていると、一様に白く輝いている訳ではなく、薄黒い部分があるのが分かります。望遠鏡が無かった時代から、人々はこの影絵のような模様に、もちをつくうさぎ』『カニ』『吠えるライオン』『二宮金次郎』など様々な動物や人物などを当てはめてきました。この模様、実は大昔に月に月の表面をえぐるような巨大な隕石が衝突し、その衝突によりえぐられた月の大地に、月の内部から染み出してきたドロドロの溶岩が広がり、やがて冷えて固まりできた黒い溶岩台地です。望遠鏡で見ると月の表面には、無数のクレーターが観察できますが、クレーターを作った小天体より、ずっと巨大な小惑星クラスの巨大な天体が月に衝突した時に出来たのが月で『海』と呼ばれている地形なのです。

MOON海MAP

この月の模様ですが、月が空のどこに見えているかで、模様の傾きが違います。満月に近い8月15日、前後2日ほどは、月の模様が肉眼でも良く見えますから、東の空から上ってきたばかりの月、深夜に南の空に掛かった時で、模様のようすが違うか良く観察してみてください。そしてなぜそのような事が起こるのか考えてみてください。
5月の位置による傾き

8月前半の毎日19時30分の月の位置
8月前半月


☆木星と土星が見頃です。
今年の夏休みは、木星と土星がこどもたちが起きている時間帯にとても見やすい位置に来ますので、自由研究の課題としてもとても良い題材になると思います。
土星と木星がどんな天体か図鑑などで調べて、夜空に見える土星や木星の姿をスケッチしたり、望遠鏡で簡単に観察できる木星や土星の衛星の位置を毎日記録してみるのも良いでしょう。

 ラプトル50やラプトル60などの小型望遠鏡でみるとこんな感じに見えます。
土星木星こんな風に見える

木星を望遠鏡で覗くと最大で4つの衛星が見えます。土星は1つの衛星が見えます。衛星自体は、倍率が低くても十分見えます。

木星の衛星 30分ごとの位置
木星30分ごと


木星の衛星 1日ごとの位置
木星1日ごと



土星の衛星 1日ごとの位置
土星の衛星の動き


ここで気付くのは、木星の衛星と土星の衛星の動きの違いです。地球から見ると木星は赤道方向の真横から見ているので、各衛星の動きが左右に行ったり来たりしている感じで見えますが、土星は地球から見ると、土星のリングを見れば分かるように、斜め上から見ている感じになるので、土星の周りを楕円を描いてぐるりと回っている様子が観察できるのです。

衛星の観察を通して、色々な考察をしながら自由研究はとても楽しい体験になると思います。天候に恵まれ観察できない日があっても、何日か続けて観察していれば、色々分かることもあります。

とにかく、自由研究を楽しくするには、観察をしながら図書館に行って、見ている木星や土星や、太陽系の事をできるだけ調べあげることです。それが自由研究を宿題という義務感からやるのではなく、楽しんで自由研究をやることにつながると思います。
観察結果をまとめて、自由研究を完成させるころには、自由研究が楽しくてしかたない!そんな風になっていて欲しいです。事実、僕も小学校の時に、夏休みの楽しみは自由研究でした。先生に普段の勉強も、自由研究みたいに熱心にやってくれれば、と言われた程です。



木星と土星観察のコツ
現在土星は、いて座近辺にいます。天の川を挟んで反対側のさそり座近辺には、土星以上に明るく目立つ木星がいますので、木星を目印に土星を見つけると良いでしょう。明るさは、0.2等級(1等星の約2.1倍の明るさ)、天の川を挟んで隣合って見えている木星に比べると約1/10の明るさですが、都市部でも十分見える明るさで見えますから探すのは簡単でしょう。
南中(南の空で一番地平線から高い位置にくる時)する前後1時間ほどしか条件良く観察できる時間がありません。地平線からの高さがない(低い位置に見えている時)は、地球の大気の影響が大きくシャープには見えません。ですから南中する前後1時間を目安に観察すると良いでしょう。

木星観測のベストタイミング(東京基準)
8月初旬 19時から21時
8月中旬 19時から20時30分
8月下旬 19時から20時

土星観測のベストタイミング(東京基準)
8月初旬 20時30分から23時
8月中旬 20時から22時30分
8月下旬 19時30分から22時

北海道は、夜に空が暗くなるのが20時を過ぎてからなので、明るいうちからの観測になります。(特に木星)

上記観測時間は、経度差により
関西は、約15分遅くなります。
九州は 約30分遅くなります。 



土星や木星がどうしても見つけられない人は、月が近くを通過していくタイミングで見つけると良いでしょう。8月9日から8月10日は月が木星の近くを通りかかります。8月11日から13日は月が土星の近くを通りかかります。


★ラプトル50とラプトル60が湘南T-SITEの店頭で引き続き販売中。
8月1日からは売り場拡充となり、日の出光学の双眼鏡や、星の手帖社の組立天体望遠鏡、月や星のポスターの販売もはじまります。ぜひお近くの方は、お立ち寄りください。

T-SITEとは、蔦屋書店を中核としたライフスタイル提案型商業施設。代官山や湘南ほか全国5カ所で展開されているショッピングコンプレックスです。単に物を売っている従来型の店舗とは異なり、本を中心に分野別にコーナー展開がなされており、売り場担当者やバイヤーにより十分に吟味された魅力ある数々の製品が魅力あるコーナー展開で展示販売されているユニークな販売店です。

既存の量販店が、他店と同じ品揃えでインターネット通販との厳しい価格競争に晒される中で売り上げが伸び悩む中で、T-SITEは既存店舗ではほとんど取り扱いがないこだわりの商品や製品も並んでいて、訪れた人それぞれが色々な刺激を受ける売り場になっています。
ラプトル50とラプトル60は、日の出光学の双眼鏡などは、アウトドアーコーナーで展示販売されています。お近くの方は是非ご覧になってみてください。

IMG_5752.jpg


そしてその湘南T-Siteで、天体観望会をやります。第一駐車場にて8月10日16時(雨天の場合の予備日は8月11日です)からはじめます。最初は太陽専用の望遠鏡で、プロミネンスや黒点など、暗くなってきたら、月や土星や木星など見ましょう!お近くの方は是非お立ち寄りください。観望会は20時までとなっております!お早めにどうぞ。自由研究のご相談にも乗りますよ!今回の講師は、スコープテックの大沼と、全国の観望会でひっぱりだこの川合慶一氏の二人で行います!
是非お越しください!

こちらをご覧ください

★日本最大級の原村星まつりに今年も出展します。
今回は、スコープテックの新型製品のお披露目もあります。ぜひお立ち寄り頂けたらと思います。場所は原村 八ヶ岳自然文化園です。8月第1金曜午後5時~日曜午前9時(2019年は8/2~4)となっております!初心者からベテランまで楽しめるイベントです!沢山のメーカーやアマチュア天文家のみなさんが参加します!

こちらをごらんください。

★おすすめの映画
「アポロ11 完全版」
1969年当時の記録映像を4Kリマスターした、歴史ドキュメンタリー映画です。実写映像なので、映画にはない緊迫感と臨場感に溢れています。どんなに当時の人たちが、月へ人類がはじめて足跡を残した瞬間を固唾をのんで見守っていたかが分かります。また管制室のスタッフの緊張感などその場の張り詰めた空気がひしひしと伝わってきます。スタジオで撮影した映画にはないリアルノンフィクションストーリー、今夏一押しの映画です。
上映館がとても少ないので、ネットで調べてご覧ください。
また「アポロ11:ファーストステップ版」 は本作を再編集した短尺版で全国の科学館や博物館で上映されています。地元に上映館のない方は、こちらをご覧になっても良いでしょう。
アポロ11 完全版の予告編はこちら。

apollo11完全版






NASAのアポロ11号月着陸50周年サイト
当時の写真や動画資料が多数見られます。


こちらです。


★おすすめテレビ番組
コズミックフロントNEXTは、NHK BSプレミアムの宇宙番組です。
次回(8月1日(木)夜10時)は、天王星、海王星、冥王星です。
番組WEBサイト



★イベント情報

●2019年 乙女高原星空観望会暫定日程
第94回 8月9日(金)から8月11日(日)
第95回 8月30日(金)から9月1日(日)
第96回 9月27日(金)から9月29日(日)
第97回 10月25日(金)から10月27日(日)
第98回 11月22日(金)から11月24日(日)

最新の日程は下記リンク先をご覧ください。

こちらです!

●2019年田奈観望会スケジュール
8月17日(土) 月齢16.4 土星と木星
9月7日(土) 月齢8.1 土星と木星
10月5日(土) 月齢6.7 金星と土星と木星
11月2日(土) 月齢5.3 金星と土星
最新の日程は下記リンク先をご覧ください。

こちらです。



おわりに
メールマガジンや本ブログにご意見などございましたら、下記のメールアドレス宛に感想など頂けると幸いです。

webmaster@scopetown.jp

よろしくお願い申し上げます!

2019年7月30日   
スコープテック 大沼 崇


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・星空と天体観測のブログ
ブログをヤフーブログからFC2ブログに引っ越しました。ヤフーブログが廃止になるためです。過去記事を含め全コンテンツを移動しております。
https://solunarneo.blog.fc2.com/
さまざまな天文現象のお知らせや解説。自身で撮影した天体写真などや、おすすめの本など紹介しています。星空情報メールでは案内しないマニアックな天文現象も紹介しています!

・乙女高原星空観望会
http://otome.sblo.jp/
山梨市牧丘町柳平で毎年10回開催している星空観望会のご案内です。天の川の見える最高の環境と豊かな自然に恵まれた場所でくつろぎながらみんなで星を見ませんか?望遠鏡を持たない初心者の方もたくさん参加しています!2019年の日程は上記サイト上でご案内しています。
・田奈星空観望会
また弊社の近くの田奈でも毎月一回観望会が行われています。どなたでも参加できます。こちらも初心者大歓迎です。望遠鏡を持っていない方もお気軽にどうぞ。
毎回30人以上の方が参加されています。2019年の日程は下記リンク先でご確認ください。
http://scopetown.jp/kanbokai.html
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星空や宇宙を見る道具を作るということ

望遠鏡とは

 望遠鏡や顕微鏡は、それまで肉眼の視力の範囲内で周りの世界を認識するしか無かった人類に、肉眼の能力の限界を超えた視界を提供した素晴らしいツールです。望遠鏡は、好奇心旺盛なガリレオ・ガリレイのような天文学者の手に渡り、空に見える天体をそれまでにない解像力と集光力で観測することが出来るようになり、月のクレーターや、木星の衛星の動き、天の川の正体を見せ、望遠鏡による天体観測の進展は、やがて人類に『宇宙』という新たなフロンティアの存在を確信させました。望遠鏡や顕微鏡の発明は、まさに視力の限界を超えて、これまで人類が認識できなかった世界への扉を開いたのです。望遠鏡や顕微鏡の発明が無かったら、今のような科学や技術、宇宙探査の進展は無かったと言い切ってしまっても言い過ぎではないでしょう。
こどもラプトル50

 私は、『初めて宇宙や星空や天体に興味を持ったこども達や初心者に、人類で初めて望遠鏡を向けたガリレオが感じた感動の追体験をして欲しい』と考えています。
視野がぼやけたり、霞んだり、視界がブレてしまうような、いい加減な作りの望遠鏡が市場の大勢を占める中で、「使いやすく、出来るだけ安価で、しかもくっきりはっきり見える望遠鏡を作り市場に供給すること」が、会社としてミッションです。
さらに私たちは、購入後のアウターサポートにとても力を入れています。僕らは、ストイックに一途に自分たちの製品の見え味と使いやすさを磨き上げるだけでなく、購入後に親身のサポートをし、星空を一生の趣味の1つとして楽しんでくれる人を増やしていきたいと考えています。
観望会シーン

これからの望遠鏡の役割
 50年前の今日、アポロ計画により、1969年7月20日に人類は初めて月面に到達しその表面を歩きました。アポロ11号からアポロ17号まで、6度の月着陸を果たしましたが、それから約半世紀、再び人間が月面に立つ事はありませんでした。現代のロケットやそれを支えるコンピューターの性能は飛躍的に高まりましたが、月の探査はやっとここ10年で無人探査機が再び訪れるようになった程度でした。しかしながら、ここ数年で状況は大きく変化します。ついには中国による月の有人探査の計画が持ち上がりました。対する米国は、アルテミス計画という新たな有人月探査計画を発表し、2024年に再び人間を月面に送り込む計画を発表しました。民間ロケット会社や日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)や世界中の宇宙機関が月を目指します。2020年代後半から2030年代以降にかけて、月の周回軌道に、西側諸国とロシアの共同利用宇宙ステーションの建設も始まり、お茶の間の4Kテレビに月周回軌道からのライブ映像が見られるような時代がもうすぐそこまで来ているのです。
NASA_Apollo_17

 50年前のアポロ計画当時、世界中で天体望遠鏡が飛ぶように売れました。月面からの生中継や周回軌道からの極めて鮮明な月面映像や月面写真がお茶の間で見られるようになったにも関わらずです。地上から望遠鏡で月を見れば、とても鮮明に月面の様子が見られます。しかし月の軌道で写した映像や写真に敵わないのは自明の理。しかし途轍もない数の望遠鏡が日本から世界に輸出され、空前の天文ブームが起こり、多くの人が生の月面像を楽しんだのです。そしてその後、多くの数の天文ファンや天文学者、宇宙飛行士を世界中で産み出したのです。
これからの10年、20年は、単発的なアポロ計画のような月探査ではなく、月をゲートに太陽系全体へと有人宇宙開発が本格的に始まる『宇宙大航海時代』の第一歩になるのではないかと、私自身は想像しています。人類史の新たなる歴史の1ページの始まりとなるのではないか。そんな期待をしています。
レンズ研磨工場

 その中で地上から宇宙を見るこども達のための『よく見える天体望遠鏡』の役割は、ますます大きくなると考えています。望遠鏡を通してみる月面の様子や、土星や木星、その他の星達の輝きは、探査機や大望遠鏡に取り付けられらたカメラで撮影した映像とは違う、独特のライブ感と生の迫力に満ちています。自分で望遠鏡の向きを変え、視界に導き、ピントを合わせた時見えた天体の姿には誰しも感動するものです。そういう意味で、望遠鏡の役割はとても大きいと考えています。またその体験があって、そうした探査機や宇宙望遠鏡から送られてくる鮮明な画像をテレビやインターネットで見た際により観察力をもって楽しめると言えます。
『スコープテック』は、これからもこども達が初めて手にする望遠鏡を、ひとつひとつ大切に、本当によく見える天体望遠鏡を心を込めて作って行きたいと考えています。そんなこども達の中から、将来の日本人宇宙飛行士が誕生し、僕の叶える事が出来なかった夢である、「月面に立つ」という夢を叶える人が出てくることを願ってやみません。

望遠鏡組み立て1


 

2019年7月の星空情報

2019年7月の星空情報です。
遅れていた西日本もようやく梅雨入りとなりました。梅雨と言ってもずっと雨が降っているわけではなく、数日に一度は晴れることもありますから、諦めずに晴れ間を狙い星空観察、天体観察を楽しんでくださいね。


●今月のハイライト
7月の注目すべき天文現象をリストアップします。

1.先月6月11日に衝を迎えた木星に続き、7月10日土星が衝となり、両惑星が観測に絶好条件です。
2.7月28日から前後数日 みずがめ座δ(デルタ)流星群が極大条件です。


〈目次〉
★7月の惑星たち
★7月の天文現象カレンダー
★7月の星空情報
★ラプトル50とラプトル60が湘南T-SITEの店頭で期間限定で展示販売を開始しました
★おすすめテレビ番組
★イベント情報


★7月の惑星たち
水星 ○→× 先月6月24日に東方最大離角となり夕方の西空低空に見えている。7月月初も観察できる。
金星  × 太陽に近すぎて観察は困難
火星 × 観測は難しい。
木星 ◎ 夜半に南の空でとても明るく見えています。観測絶好シーズン!!
土星  ◎ 夜半の南の空で明るく見えています。観測シーズン!!
天王星 △明け方に東の空に見えています。
海王星 ○未明の南の空。 

★7月の天文現象カレンダー
7月3日(水)新月 前後数日は一晩中月明かりの影響がなく、星空の観測に絶好。

7月5日(金)から7月7日(日)第93回乙女高原星空観望会です。

7月7日(日)七夕 今年の七夕は、海や山など市街地の光に邪魔されない場所へ行けば、月明かりに邪魔されずに天の川と織姫星と彦星が見えそうです。晴れると良いのですが。

7月9日(火)上弦の月 夕方から夜半前に見える半月です。月の観察の好機です。クレーターがとてもよく見えます!

7月10日(水)土星が衝。地球から見て、太陽と正反対の位置に来る。真夜中に南の空で落ち着いた黄色味を帯びた輝きで見える。

7月15日(月)海の日

7月17日(水)西日本で部分月食が観察できます。満月 クレーターはあまり見えませんが、海の部分の色や、クレーターから四方八方に広がる光条が良く見えます。

7月21日(日)水星が内合 地球軌道の内側かつ太陽と地球の間に位置


7月25日(木)下弦の月 深夜過ぎから明け方に見える半月です。月のクレーター観察の好機です。天王星が西矩。

7月28日(日)早朝日の出前に月齢25.3の細い月にヒアデス星団の星が隠される星食


★7月の星空情報
全ての図版は、クリックやタップをするとさらに大きく表示できます。

☆7月10日(水)土星が衝となり、地球から見て、太陽と正反対の位置に来る。観測の好機!
リング惑星土星

ラプトル50やラプトル60などの小型望遠鏡でみるとこんな感じに見えます。
土星木星こんな風に見える

地球の公転軌道の外側で、太陽を回る外惑星である土星は、『衝』のころに地球との距離が最も近くなるので、地球から見える大きさが最も大きくなり、もっとも明るく輝くようになります。

現在土星は、真夜中に南の空で落ち着いた黄色味を帯びた色に輝いて見えています。明るさは、0.1等級(1等星の約2.3倍の明るさ)、天の川を挟んで隣合って見えている木星に比べると約1/10の明るさですが、都市部でも十分見える明るさで見えますから探すのは簡単でしょう。

衝当日の地球との距離は、13億5000万キロ 地球から太陽までの距離の約9倍の距離になります。光のスピード(秒速30万キロ)でも74分以上も掛かる距離です。仮に地球から時速800キロのジェット旅客機で土星に行くと約200年も掛かるとても遠いところにあります。

 土星の直径は、地球の直径の約9.5倍の大きな惑星でガスが主成分です。土星本体をぐるりと取り巻く巨大なリングが特徴的ですが、リングの幅に地球を並べると20個ほど並べられる程大きなものです。衛星の数は64個もありますが、小さな望遠鏡でも見えるのは衛星タイタンだけです。

 口径6センチのラプトル60のような望遠鏡で観察すると、リングがA環とB環の二色に別れて見えます。口径8センチのアトラス80で観察すると条件が良ければ、A環とB環の間に黒いレコードの溝のような線を観察できる事があります。カッッシーニの空隙と呼ばれるリングの隙間です。土星本体の模様は、木星のように明瞭ではありませんが、注意深く観察すると一本縞模様と極付近が暗くなっている様子が観察できるでしょう。

とても軽い惑星で、比重は水よりも軽く、土星が入るような巨大な水槽を用意したとすると、水にプカリと浮いてしまうほどです。

土星観察のコツ
現在土星は、いて座近辺にいます。天の川を挟んで反対側のさそり座近辺には、土星以上に明るく目立つ木星がいますので、木星を目印に土星を見つけると良いでしょう。南中(南の空で一番地平線から高い位置にくる時)する前後1時間ほどしか条件良く観察できる時間がありません。地平線からの高さがない(低い位置に見えている時)は、地球の大気の影響が大きくシャープには見えません。ですから南中する前後1時間を目安に観察すると良いでしょう。
今年の夏は土星と木星が見頃

土星や木星がどうしても見つけられない人は、月が近くを通過していくタイミングで見つけると良いでしょう。7月13日から7月16日はそのチャンスです。

月が通りかかる

★ 速報ニュース 木星の地上からの最新の観測に関して
土星のすぐ近くに見えている木星ですが、これまで段々小さくなっていた、木星の大赤斑(目玉のような模様)ですが、縮小が止まり少しだけ大きくなっているという観測結果が報告されてきました。(ちなみに目で見ても先月と比べて大きくなっているのは分かりませんが...)この後再び縮小に転じるのか、じわじわと大きくなっていくのか、今しばらく観測の継続が必要ですが、これ以上小さくなると小型望遠鏡での観測は難しくなってくるので、このまま大きくなって欲しいと、個人的には考えています。
巨大ガス惑星

☆部分月食が西日本で観察できます。
7月17日の明け方に南西諸島、九州地方、四国地方(東部のごく一部を除く)、中国地方(東部を除く)の西日本で部分月食が観察できます。月食とは、地球の影の中に月が入る天文現象です。今回は明け方に西の地平線に月が沈む前に起こります。日の出前からはじまりますが、少し欠けたところでどんどん空が明るくなり、月食の途中で月も沈んでしまいますから観測条件的にはあまり良いとは言えません。

☆7月28日(日曜日)早朝夜明け前にヒアデス星団食
夜明け前の東の空低い位置に、晩秋から冬にかけて見頃を迎えるおうし座が上がってきています。そのおうし座のVの字の星の並びがヒアデス星団と呼ばれる大きな散開星団です。そのヒアデス星団の星を7月28日(日)の早朝に細い月が隠す星食と呼ばれる天文現象が観察できます。潜入の30分前には、東の地平線上に上がってきたおうし座の方向を見て頂きます。あまり月に近づき過ぎてからですと、月の光に幻惑されて肝心の隠される星が見つけづらくなります。まず月を見つけてください。その方向に双眼鏡や低倍率の接眼レンズをセットした天体望遠鏡を視野に入れ観察してください。
先ずおうし座δ1星が隠され、その次におうし座δ2星が隠されます。

ヒアデス星団星食ガイドマップ

ヒアデス星食拡大

各地の隠される時間(潜入時間)と出てくる時間(出現時間)がかなり違いますので、下に記します。
δ1潜入
札幌 午前3時3分
仙台 午前2時53分
東京 午前2時48分
大阪 午前2時46分
福岡 午前2時45分
那覇 午前2時34分

δ1出現
札幌 午前4時4分
仙台 午前3時56分
東京 午前3時51分
大阪 午前3時46分
福岡 午前3時42分
那覇 午前3時31分

δ2潜入
札幌 午前3時29分
仙台 午前3時23分
東京 午前3時19分
大阪 午前3時15分
福岡 午前3時11分
那覇 午前3時5分

δ2出現
札幌 午前4時32分
仙台 午前4時20分
東京 午前4時13分
大阪 午前4時10分
福岡 午前4時6分
那覇 午前3時48分





☆みずがめ座δ流星群
7月28日の前後数日間に渡り見える流星群です。今年は月明かりの影響もなく条件良く観測ができます。8月半ばの三大流星群のひとつであるペルセウス座流星群は、今年は満月に近い月灯りに邪魔されて条件的に最悪なので、流星数はペルセウス座流星群ほど多くないやや小規模の流星群ですが、こどもたちの夏休み期間中でもあり、家族で楽しんで頂きたいと思います。
流れ星は、ガイドマップ内の茶色文字『みずがめ座δ南』で示されている放射点を中心に四方八方に放射状に飛びますが、放射点の位置が低いので放射点から打ち上げ花火のように頭上に向かって飛ぶ流れ星が多いでしょう。流星のスピードは、夏のペルセウス座流星群や冬のふたご座流星群より遅くゆったりと飛びます。
みずがめ座δ流星群

★ラプトル50とラプトル60が湘南T-SITEの店頭で期間限定で展示販売を開始しました。
T-SITEとは、蔦屋書店を中核としたライフスタイル提案型商業施設。代官山や湘南ほか全国5カ所で展開されているショッピングコンプレックスです。単に物を売っている従来型の店舗とは異なり、本を中心に分野別にコーナー展開がなされており、売り場担当者やバイヤーにより十分に吟味された魅力ある数々の製品が魅力あるコーナー展開で展示販売されているユニークな販売店です。既存の量販店が、他店と同じ品揃えでインターネット通販との厳しい価格競争に晒される中で売り上げが伸び悩む中で、T-SITEは既存店舗ではほとんど取り扱いがないこだわりの商品や製品も並んでいて、訪れた人それぞれが色々な刺激を受ける売り場になっています。
ラプトル50とラプトル60は、アウトドアーコーナーで展示販売されています。お近くの方は是非ご覧になってみてください。
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★おすすめテレビ番組
コズミックフロントNEXTは、NHK BSプレミアム3の宇宙番組です。
次回(7月4日(木)夜10時)は、今見頃の『土星』です。土星の最新の情報が盛りだくさん!
ぜひお見逃しなく!

番組WEBサイト
https://www4.nhk.or.jp/cosmic/

各日夜10時から
7月4日(木)土星
8月1日(木)天王星、海王星、冥王星


★イベント情報

●2019年 乙女高原星空観望会暫定日程

第93回 7月5日(金)から7月7日(日)
第94回 8月9日(金)から8月11日(日)
第95回 8月30日(金)から9月1日(日)
第96回 9月27日(金)から9月29日(日)
第97回 10月25日(金)から10月27日(日)
第98回 11月22日(金)から11月24日(日)

最新の日程は下記リンク先をご覧ください。
http://otome.sblo.jp/

●2019年田奈観望会スケジュール
7月13日(土) 月齢10.7 土星と木星
8月17日(土) 月齢16.4 土星と木星
9月7日(土) 月齢8.1 土星と木星
10月5日(土) 月齢6.7 金星と土星と木星
11月2日(土) 月齢5.3 金星と土星
最新の日程は下記リンク先をご覧ください。
http://scopetown.jp/kanbokai.html



おわりに
メールマガジンご意見などございましたら、下記のメールアドレス宛に感想など頂けると幸いです。

webmaster@scopetown.jp

よろしくお願い申し上げます!

2019年6月30日   
スコープテック 大沼 崇


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株式会社スコープテック 大沼崇のフェイスブックアカウント
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天文情報、観望会情報ほか、写真、天気、食べ物、など色々情報を流しています。
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・星空と天体観測のブログ
ブログをヤフーブログからFC2ブログに引っ越しました。ヤフーブログが廃止になるためです。過去記事を含め全コンテンツを移動しております。
https://solunarneo.blog.fc2.com/
さまざまな天文現象のお知らせや解説。自身で撮影した天体写真などや、おすすめの本など紹介しています。星空情報メールでは案内しないマニアックな天文現象も紹介しています!

・乙女高原星空観望会
http://otome.sblo.jp/
山梨市牧丘町柳平で毎年10回開催している星空観望会のご案内です。天の川の見える最高の環境と豊かな自然に恵まれた場所でくつろぎながらみんなで星を見ませんか?望遠鏡を持たない初心者の方もたくさん参加しています!2019年の日程は上記サイト上でご案内しています。
・田奈星空観望会
また弊社の近くの田奈でも毎月一回観望会が行われています。どなたでも参加できます。こちらも初心者大歓迎です。望遠鏡を持っていない方もお気軽にどうぞ。
毎回30人以上の方が参加されています。2019年の日程は下記リンク先でご確認ください。
http://scopetown.jp/kanbokai.html
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スコープテックとラプトル50のひみつ


スコープテック(旧社名スターライト・コーポレーション)が株式会社として登記されたのは、2006年7月20日。7月20日といえば、人類が初めて地球以外の天体に着陸した記念日である。もちろん、良質な天体望遠鏡を初心者に販売する会社として設立することもあり、その歴史的記念日に設立するというのは前々から計画あっての話だったりします。(実際は登記は2006年ですが、個人事業として、株式会社星の手帖社の軒先を借り商売を始めたのは2004年のことです。)
ラプトル50イラスト


 入門者用の望遠鏡は、当時も今も弊社の製品を除くとまともなものはとても少ないのが現状です。当時はほとんど無名であった弊社でしたが、今や10余年に渡る努力によって『スコープテック』は、国産の天体望遠鏡としては、日本一の生産販売数を記録するブランドとなりました。それも支持を頂いたユーザーの皆様のおかげで、感謝してもしきれない程です。

 望遠鏡の品質の向上に努めたのは、もちろんですが、同じ位力を注いできたのは、購入後のアフターサポートです。。フリーダイヤルを用意し、望遠鏡の使い方だけでなく、こどもたちを含む、初心者の素朴な疑問や、観測の相談にも丁寧に答えてきました。さらに乙女高原星空観望会や乙女高原星空観望会といった誰でも参加できる観望会を年に20回以上行っています。。各地の町おこし的な観望会にも手弁当で協力してきた。なぜここまでするのか。もちろん広報的な側面もありますが、一番は、一般の人に少しでも宇宙や夜空に興味を持って欲しいからという気持ちがとても大きい部分を占めています。

 弊社、スコープテックで最初に作ったのがアトラス80(旧名SD-80AL)でした。口径8センチの中学生以上向けの入門機でした。すべての要素を設計し、一から金型を起こし、このクラスの望遠鏡を作ろうとすると1000万円単位のお金が掛かってしまう。スタートしたばかりの小さな会社じゃとても無理なことです。でも品質の高い望遠鏡は作りたい。私たちはどうしたのか…。既存の金型を持つOEMメーカーを当たりました。そこで見つけたのがアトラス80の元になる数々の既存部品の金型でした。要素を組み合わせ、一台の望遠鏡をレゴブロックにより組み上げて行く。それを最終的な製品とするというs架台の構造に根本的な欠陥があり、上下に何回か動かすと架台がグラグラになってしまい、使い物にならない。そこを直すことから始まりました。レンズの精度は、日本製という事もあり抜群でした。しかし内面のつや消しは極めて不十分。月を見ると視野全体のコントラストが低下し、鮮烈な見え味とは言えなかった。対物レンズの精度が生かされていないのだ。さらにバッフルの位置が不適切で、80mmの口径が絞られてしまっている。既存のメーカーは、こんな商品を何十年も売っていたのかと呆れつつ、そうしたネガをひとつひとつ消していった。完成品検査も厳格な基準を新たに設けた。

 工場はとても優秀で、工員や職人の能力も申し分ない。しかし各メーカーの最安値の入門用望遠鏡を作る事が主要な仕事だったOEM工場。利益を出す事が求められる入門機。厳しいコスト的制約がある。20年以上の生産の中で、抱えた問題は解決される事なく、メーカー側で改良されることも無く、ただ言われた通りに安く生産する事を強いられてきたのである。

僕らのアプローチは違いました。第一義的に『よく見えて使いやすい入門機を作る』なにより中身を重視。ネットによる直販が主体なので、販売価格に対して原価率が上がっても一般流通ルートに載せなければならない既存メーカーよりコストをかける事ができるのです。初めて望遠鏡を手にするユーザーが使いやすく、天体がシャープにくっきり見え感動してもらわないとダメなのです。
 
 特に望遠鏡の鏡筒内部のつや消し塗装は、きちんとやるにはとても手がかかります。一方向からつや消し塗装を吹いても、遮光環の影に塗料は届かない。遮光環を全部取り付けてからでは、塗料が回らない。何度も何度も塗料を内面に吹き付けないと鏡筒内での乱反射は防げないのです。

 鏡筒のパイプの末端処理は、光軸に影響します。ここも仕上げを丁寧に行ってもらうようにしました。そうしたポイントを全てちゃんとやってもらうようにすると、同じ望遠鏡を作っても、弊社が作る8センチ屈折経緯台と、同じ工場で作られてきた8センチ屈折経緯台は、姿形は似ているが、工場出荷額は、かなりの違いが出てきてしまいます。見え味に関係ない外見はコストアップを避けるために、徹底的にコストダウン。望遠鏡を入れる箱も、既存メーカーは写真入りのカラフルな箱に入れる。うちのアトラス80は、ダンボールでいい。虚飾を廃し、実性能を重視する。これを徹底して出来上がったのがアトラス80なのです。外装、外箱でコストダウンを測っても焼け石に水。弊社への納入価格はベース機種に対してかなり上がってしまいました。

 アトラス80は、弊社の入門機用ラインナップの最上位機種。架台の強度が理想には少し足りないが、上下軸、水平軸に全周微動装置を使用した全部盛りの入門機といえます。月も土星も木星もとても良くみえる。アトラス80で見る月は圧巻だ。内部のつや消し処理とバッフル(遮光環)の位置を最適化し、組立精度を向上させた結果。黒い夜空に、ぽっかりと漆黒の宇宙に浮かぶ臨場感たっぷりの月の姿が見える。アクロマートレンズですが、工場で高精度で磨かれたレンズは、外国製の入門機とは一桁高い精度で仕上げられているため、別売りの接眼レンズで200倍程度で木星や土星を観察すると、中国製のEDアポクロマートよりもよっぽどシャープに見えるのも作った側としては、とても痛快でした。
望遠鏡の選び方のポイント

 次に作ったのは、ラプトル50です。弊社のラインナップで一番安価な望遠鏡。でも僕が既存のラインアップで、最も愛着があるのがラプトル50だったりします。ラプトル50は、コストがかけられるアトラス80と違い、こどもたちが、お小遣いを貯めたり、お年玉を貯めたりして買う望遠鏡という位置付けなので、とにかく安く作らなきゃいけない。見え味を落とさず、シンプルに徹し、徹底的に無駄を廃し、コストダウンする。配送料金だって出来るだけ安くしなきゃいけない。でも見え味と架台三脚の強度は確保し、滑らかに動く架台に仕上げなきゃいけない。アトラス80以上に、大変な作業と思考が要求されました。

 まず望遠鏡の筒の部分の外装塗装は省きました。パイプを引き抜いたときの引き傷があり、外観が見すぼらしいとの意見もありましたが、素材のプラスチック自体が白いし、素材の色を活かせばいいじゃない!コストダウンも出来るし、外装の塗装を省いても見え味は低下しません。重要なのは絶対外せない部分。見え味を向上させる部分に省いたコストを投入することです。他の会社の入門機ではいい加減な内面の艶消し塗装や遮光環は、絶対に省けないポイントです。
 天体望遠鏡は、倍率が高く視野が狭いため照準用のちいさな望遠鏡が脇についています。他社の入門機にももちろんついていますが、望遠鏡自体にコストを掛けられないため、像がぼやけてしまい狙いをつけるのも困難なひどい品質のものばかり、ファインダーを支持し角度を調整する取り付け部も酷い品質でした。ちゃんと使えるまともなファインダーを付けようとすると、その部分だけで3000円以上になります。こどもたちのために販売価格は上げたくない。他社のように形だけで機能しない使えないファインダーは付けたくない。色々と考え悩んだ末に、光学式のファインダー自体やめてしまおうという決定をしました。調整しないと使えないし、ちゃんと調整できるものを付けても、ファインダーの調整は入門者にとって、慣れないうちはとても調整が難しく望遠鏡を使わなくなる大きな原因の1つだったのです。まさにこども用の望遠鏡にとっては、諸悪の根源以外のなにものでもないと考えました。だったら光学式ファインダーなんてやめちまえ!代わりに作り出したのが、覗き穴式ファインダーです。後ろから覗いて、おもちゃの銃のように狙いをつければ、見たい天体が視野に入ってくる便利な仕組みです。そしてコストは大幅に下げられる。何しろ穴の空いたちいさな金属板二枚だけ!ですからね。
面倒な光軸調整の必要が無く、誰でも直感的に使える覗き穴式ファインダーは、結果的に大成功で、ラプトル50より先に発売されていたアトラス80にも、その後発売されるアトラス60やラプトル60といった入門機ばかりでなく、弊社が発売する上級者向け鏡筒などにもほとんど全てに採用される事になります。こどもたちに使いやすいものは、『全ての人にとって使いやすい!』の好例という事になります。

 ラプトル50は、最初にデビューした時には、今のスチールパイプ三脚では無く、木製の三脚でした。他の望遠鏡のために作られ、工場で20年以上眠っていた木の三脚でした。数百セットがあり、使い道が無かったため、工場側は産業廃棄物として近く廃棄予定でした。これを利用する事でラプトル50は、スチールパイプ三脚を採用する予定だった時は7980円で発売予定だったのですが、1000円も安く発売開始する事ができました。工場側からの話では、この木製三脚は売り切りで数百セットあるが、使い切ってしまえばもう再生産はできないし、もし再生産したとしてもスチールパイプより高額になってしまうとのことでしたが、思わぬ事で予定より1000円も安く販売することが出来たのです。

 その後ラプトル50は、こどもや入門者用の望遠鏡として、もっとも使いやすく良く見える望遠鏡という事で、世界天文年の際に公的機関から受賞したり、多くのベテラン天文ファンや、科学館やプラネタリウムの学芸員や解説者の先生に支持された事もあり、5万台以上のラプトル50が弊社を旅立ち、多くのこどもたちや入門者の元へ届きました。

 ラプトル50は弊社のラインナップで一番エントリーに位置する小さな望遠鏡ではありますが、『スコープテック』のブランドアイコンそのものであり、スコープテックのスピリットでもあり、弊社のフラッグシップなのです。私、大沼が一番愛してやまない望遠鏡が『ラプトル50』なのです。

追記 スコープテックがブランドとしてここまで来られたのには、お客さまのご支持が一番大きいです。他にも弊社社員のがんばりはもちろん大きいのですが、外部の支えもとても大きかったと感じています。創業期から今までは、阿部編集長率いる星の手帖社のみなさん。ミザールテックの伊藤部長、様々な助言をくださったビクセン光学の齋藤彰社長、スタークラウドの宮野さんなど沢山の皆さんの様々な助言や支援があっての事です。この辺りも皆さんにとって興味深い内容だと思います。いずれご紹介できたらと考えています。

2019年6月の星空情報

2019年5月の星空情報です。

沖縄と奄美地方は既に梅雨入りとなりましたが、他の地方は梅雨入りがやや遅れ気味のようです。関東地方の梅雨入りは6月中旬以降にずれ込むという情報もあり、6月前半は、普段より星空が見える日が多いのではと期待しています。


●今月のハイライト
6月の注目すべき天文現象をリストアップします。

1.6月11日木星が衝となり観測に絶好のシーズンです。
2. 木星の東側に居る土星が観測シーズン入りしています。
3. 6月24日水星が東方最大離角です。

〈目次〉
★6月の惑星たち
★6月の天文現象カレンダー
★6月の星空情報
★おすすめテレビ番組
★イベント情報


★5月の惑星たち
水星 △→○ 6月24日に東方最大離角となり夕方の西空低空で観察できる。
金星 △ 夜明け前の東の超低空、地球から遠ざかり望遠鏡で見るとやや欠けた小さな姿。
火星 ×かなり遠ざかりました。夕方の西空超低空。
木星 ◎ 夜半に南空でとても明るく見えています。観測絶好シーズン!!
土星  ◎ 夜半過ぎの南東で高度も上がってきました。観測シーズン!!
天王星 △明け方に東の空に見える
海王星 ○明け方南の空。 

★5月の天文現象カレンダー
5月31日(金)から6月2日(日)第92回乙女高原星空観望会です。
6月3日(月)新月 前後数日は一晩中月明かりの影響がなく、星空の観測に絶好。

6月10日(月)上弦の月 夕方から夜半前に見える半月です。月の観察の好機です。クレーターがとてもよく見えます!
6月11日(火)木星が衝。地球から見て、太陽と正反対の位置に来る。真夜中に南の空で燦然と白く輝いて見える。

6月12日(水)海王星が西矩 地球から見て太陽の西側に90度離れた位置にくる。夜明け前に南の空に見える。

6月16日(日)小惑星ケレスが食(満月一日前の月に隠される)

6月17日(月)満月 クレーターはあまり見えませんが、海の部分の色や、クレーターから四方八方に広がる光条が良く見えます。

6月22日(土)夏至 このころ昼の長さが一年で一番長く、夜の長さが一年のうちで一番短くなる。

6月24日(月)水星が東方最大離角 夕方の西空低い位置で観測可能。この時期は大気中の水蒸気が多いので、透明度が低く観測はしにくいかもしれません。

6月25日(火)下弦の月 深夜過ぎから明け方に見える半月です。月のクレーター観察の好機です。


★6月の星空情報
全ての図版は、クリックやタップをするとさらに大きく表示できます。



☆6月11日(火)木星が衝。地球から見て、太陽と正反対の位置に来る。真夜中に南の空で燦然と白く輝いて見えています。地球の公転軌道の外側で、太陽を回る外惑星は、『衝』のころに地球との距離が最も近くなるので、地球から見える大きさが最も大きくなり、もっとも明るく輝くようになります。当日の地球との距離は、6億4350万キロ 地球から太陽までの距離の約4.3倍の距離になります。光のスピード(秒速30万キロ)でも30分以上も掛かる距離です。仮に時速800キロのジェット旅客機で木星に行くと約90年も掛かるとても遠いところにあります。
木星の直径は、地球の約11倍(ちなみに太陽は109倍)もの大きさでとても大きなガスを主成分です。。惑星の分類としては、地球は、水星、金星、火星と同じ岩石惑星ですが、木星と土星は、ガスを主成分とするガス惑星に分類されその表面に地球のような地面がありません。ラプトル50ような小型の天体望遠鏡で観察すると、目立つのは、二本の縞模様と周りを回る4つの衛星です。大きさは地球の周りを回る月とほぼ同じ大きさの衛星が2つ、月の直径の約1.5倍の大きさの衛星が2つ、この合計4つの衛星が小型から中型の天体望遠鏡で観察できる衛星で、400年前にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが人類で初めてラプトル50よりちいさな望遠鏡を自分で作って天体観測した際に発見したことから、4つを『ガリレオ衛星』と呼んでいます。
口径6センチのラプトル60のような望遠鏡で観察すると、二本の縞模様が一様ではなく、濃淡があること、条件が良ければ、さらに2本の縞模様と地球を丸ごと飲み込むほどの大きな大気の渦である大赤斑が見えてきます。
口径8センチを超えると模様の詳細が見え始め、口径10センチを超えるとフェストーンと呼ばれるサメの背びれのような模様も見えてきます。
図をご覧ください、(この写真は口径23.5センチの天体望遠鏡に、特殊なカメラをつなぎ、パソコンで模様をくっきり見えるように画像処理を行ったものです)赤道帯の部分が茶色っぽくなっていますが、一昨年までここはもっと白く見えていました。また大赤斑も数年前は、おおきな望遠鏡でも見にくくなるほど色が薄くなっていましたが、今は赤みが増し、ラプトル60でも条件が良ければ見えるようになっています。これらの模様は、雲が作り出す模様ですが、毎年毎年の変化がとても面白いです。その変化の一部は、小型望遠鏡でも注意深く観察していると分かるのが面白いところです。

特殊なカメラで撮影した木星の画像を観察していると、今年は今まで見たこともない現象が大赤斑で起こっているようです。より詳細に観察すると、大赤斑から、赤みを帯びた小さい雲がいくつもちぎれている様子が観察できているという報告が来ています。近年大赤斑は色は濃くなっているのですが、大きさはどんどん小さくなっています。以前はこの2倍以上3倍近い大きさだったのです。今後さらに小さくなるのか、はたまた大きくなるのかが見ものです。これ以上小さくなってしまうと小型望遠鏡で観察するのは難しくなってしまうので今のうち観察しておくと良いかもしれませんね。
大赤斑ですが、いつも見えている訳ではありません。木星は9時間55分という地球の24時間に比べるととても速いスピードで自転しています。裏側に回りこんでしまうと、図版の右側のように見えないタイミングもありますのでご注意ください。

木星観察のコツ
現在、木星はさそり座近辺にいて、南中(南の空で一番地平線から高い位置にくる時)する前後1時間ほどしか条件良く観察できる時間がありません。地平線からの高さがない(低い位置に見えている時)は、地球の大気の影響が大きくシャープには見えません。ですから南中する前後1時間を目安に観察すると良いでしょう。
木星の表面模様とその変化

☆NASAの木星探査機『ジュノー』が捉えた木星表面の様子
今年2月に17回目の木星接近観測の際、ジュノーが撮影した木星表面の様子です。右上に見える赤い楕円の渦が大赤斑と呼ばれる大きな大気の渦です(高気圧だそうです)そして木星の表面にいくつかある白い楕円状の渦が白斑と呼ばれている大気の渦です(低気圧)。基本的に木星の模様のうち白い部分は高層にかかる雲で、上層の雲がないところは深い位置にある色が見えているということのようです。このように今は探査機が写した写真は、地上の望遠鏡とは比べものにならないほどの解像度がありますが、地上からの観測は依然としてとても意義があるとのことです。地上の望遠鏡から捉えられた変化を、探査機が観測することによって、これまで望遠鏡が発明されてから400年に渡り地上からの望遠鏡の観測で蓄積されてきた観測データーに新しい発見や解釈ができるようになるという重要な役目があるのです。ですから探査機の観測とともに、今現在、アマチュアやプロの天文学者が地上から行っている観測は、とても重要な事なのです。また探査機の活動期間は、数年から長くても10年程度であり、継続的に探査機を送り込むことができない現状の宇宙探査では、探査機のいない期間を補完する意味でもとても重要な事なのです。

juno.jpg

☆土星も見頃です。
木星の観測は22時から午前1時ごろがベストですが、木星のすぐ東側の土星も来月7月の衝を控え、既に観測にはとても条件が良くなっています。木星の観測時間帯の1時間後、午前0時ごろから午前3時ごろが観測のベストタイムということになります。木星に比べると明るさは0等ということで暗いのですが、1等星よりも明るく、とても目立ち見つけやすい存在ですから木星を目印に、その東側(左側)に目を向ければすぐに見つかる筈です。惑星は、星座の星と違ってほとんど瞬かないので、その輝きの特徴に注目すれば他の星と見分けるのは簡単です。木星の左隣にあるほとんど瞬かない少し黄色味を帯びた星、それが土星です。望遠鏡を向ければ小さいですがリングのついた可愛らしい姿を観察できます。

木星と土星の見える位置





★おすすめテレビ番組
コズミックフロントNEXTNHK BSプレミアム3の宇宙番組です。
今回は、太陽系内の全惑星と準惑星の冥王星。太陽系の全ての惑星に探査機が行ける時代になり、最新の情報を探査機が撮影した画像と高精細CGで平易に解説するそうです。全5回のシリーズではじまります。ぜひお見逃しなくご覧ください。

番組WEBサイト
https://www4.nhk.or.jp/cosmic/


各日夜10時から
6月6日(木)水星と金星
6月13日(木)火星
6月20日(木)木星
7月4日(木)土星
8月1日(木)天王星、海王星、冥王星


★イベント情報

●2019年 乙女高原星空観望会暫定日程

第92回 5月31日(金)から6月2日(日)
第93回 7月5日(金)から7月7日(日)
第94回 8月9日(金)から8月11日(日)
第95回 8月30日(金)から9月1日(日)
第96回 9月27日(金)から9月29日(日)
第97回 10月25日(金)から10月27日(日)
第98回 11月22日(金)から11月24日(日)

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